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■訃報■柔道元ブラジル代表監督 岡野脩平さん

岡野修平さん

岡野脩平さん

 ブラジル講道館柔道有段者会の名誉会長、岡野脩平さんが16日午前5時頃、自宅で衰弱のために亡くなった。行年83歳。呼吸器疾患により、昨年末から2週間近く入院して治療し、年初から自宅療養に切り替えていたが、衰弱が止まらなかったという。当日、家族と近親者だけで葬儀が執り行われ、レデントル墓地(Cemitério do Redentor)に埋葬された。遺徳を偲ぶ会は、パンデミックが収まった後、行われる予定とのこと。
 岡野さんは1938年1月20日に北海道で生まれた。10歳で柔道を始め、中央大学の副キャプテンを務めた。卒業後も64年、東京五輪後に世界の強豪が揃った国際親善大会で準優勝した。
 66年に山本勝造氏に呼び寄せられてサドキン社で働いた。67年からブラジル代表チームの監督を任され、72年ミュンヘン大会では石井千秋選手が初のメダル(銅)を獲得するなど、ブラジル柔道史に残る輝かしい黄金期を支えた名監督だ。
 教え子には元ブラジル代表監督の篠原準一さん(二世)、88年のソウル五輪の金メダリスト、アウレリオ・ミゲルを育てたカルロス・エドワルド・モッタさん(通称チッコ)らがいる。選手や指導者として活躍するだけでなく、ブラジル講道館柔道有段者会の役員や会長として長年、日伯の柔道交流も盛り上げてきた。
 2009年末に国内最高位の「柔道9段」を受けた。通常は80歳以上が対象だが、その貢献の大きさを考慮して当時72歳だった岡野さんに特別に昇段が認められた。令和元(2019)年の春の叙勲では旭日単光章を受勲していた。