ボルソナロ大統領が先週、解任の意向を表明していたブラジル銀行(BB)のアンドレ・ブランドン頭取が留任することになり、彼が進めようとしていた希望退職などによる内部改革も進められることとなった。この留任はBB民営化を望むパウロ・ゲデス経済相にも朗報となった。19日付現地紙が報じている。
大統領が解任を示唆したのは、同頭取の進める改革案に反対だったためだ。同頭取は11日に、112の支店など、計361の実店舗を減らすことなどで、経営効率を上げ、21年だけで3億5300万レアル、25年までで27億レアルの財政整理を行おうとしていた。この改革案には、5千人の希望退職者募集が含まれている。
だが、閉鎖対象となる店舗を自分の選出選挙区に抱える下院議員たちが、強く反対の声をあげた。2月1日に行われる下院議長選で、アルトゥール・リラ下議(進歩党・PP)を是が非でも当選させたいボルソナロ氏は、下議らの支持を失いたくなかった。
結局、ブランドン氏はゲデス経済相などの強い反対もあり、留任となった。希望退職による人員削減計画も予定通り行われる。
だが、閉鎖される支店の数や残される店舗の形態に関しては見直しが行われる予定だといい、この部分で譲歩が行われたようだ。
この留任はとりわけ、ゲデス経済相の喜ぶ結果となった。それはブランドン氏の存在が、同相が進めようとしているBB民営化に不可欠だと考えているためだ。BB民営化や規模縮小は、ボルソナロ大統領が難色を示し続けてきたことでもある。
ゲデス氏をはじめとする経済スタッフは、BBの競争力を高め、利益が見込め、さらに政治的な介入を受けない独立した銀行にするには、民営化するしかないと考えている。