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《ブラジル》夏は腎臓結石が30%増加=医師達が水分摂取の必要説く

腎臓結石が増える夏場は特に水分摂取が大切だ(Tania Rego/Agencia Brasil)

 夏は腎臓結石ができやすくなるため、ブラジル泌尿器学会(SBU)がリスクや対策などの具体的な情報を盛り込んだメッセージを流し、注意を呼びかけている。
 腎臓結石予防のキャンペーンは18日に始まった。SBUによると、夏は腎臓結石ができる例が他の季節より30%多くなるという。これは、暑さのために汗などによって失われる水分が増えるのに、適度な水分補給ができていないからだ。
 SBUのエルネスト・レジオ氏によると、腎臓結石を防ぎ、既にできた石が増えたり大きくなったりするのを防ぐための原則は五つある。
 最も大切なのは水分を十分にとる事だ。水分が足りないと、尿の色が濃くなる。また、柑橘類のジュースは新しい石の形成を減らすクエン酸塩を含んでいるので、水分の中でも望ましいという。
 調味料として使う塩や加工食品に含まれている塩分(ナトリウム)の摂取量を減らす事も大切だ。動物性たんぱく質や乳製品の消費についてもきちんとした知識を持っている必要がある。
 また、定期的に体を動かす(運動をする)事や、水分をとる時は一度にがぶ飲みするのではなく、何度にも分け、1日を通して水分を補給する事を勧めている。
 レジオ氏はお茶や炭酸ガス入りの水についても注意を呼び掛けている。ガス入りの水はナトリウムを含んでいるため、水分をとった意味を失わせるのだ。また、色の濃いタイプのお茶は腎臓結石の主な成分の一つであるシュウ酸塩を含んでいるので、多飲は避けた方が良いという。

 また、「過敏になる必要はないが」と前置きした上でコーヒーやアルコール飲料、ソフトドリンク、特にコーラは、頻繁に摂取すると石の形成につながる可能性があるので注意するようにも促した。
 やはりSBU所属の泌尿科医、ファビオ・セプルヴェダ氏によると、ブラジルでは10人に1人が腎臓結石を患っているという。患者の多くは20~35歳の男性で、治療後も半数が10年以内に再発するから、石ができないよう、注意するよう呼びかけている。患者の半数が再発する事はレジオ氏も認めている。
 望ましい水分摂取量は体格などによっても異なるが、一般的には1日2~3リットルを摂取するのが望ましい。尿の色は食べ物によっても変わり得るが、透明で無色もしくはごく薄い色である事が望ましい。黄色が濃くなったり、オレンジ色になったりした時は、水分の摂取量が足りないと考えた方が良いという。
 レジオ氏は、腎臓結石の問題がある人は定期的に泌尿器科医の診察を受け、体調管理に努めるよう、勧めている。(19日付アジェンシア・ブラジルより)