州都マナウスなどで病院の酸素が尽き、新型コロナ感染症で入院中の患者が窒息死し、他州への患者の緊急移送などが必要となる事態が発生したアマゾナス州に対し、予防接種ワクチンを優先配布する提案がなされ、21日夜までに少なくとも22州の知事が承認したと22日付現地サイトが報じた。
この提案はマナウス市での医療崩壊について討議していたグループから出たもの。21日の時点で次の配布対象となっていたワクチンは、22日にインドから到着するオックスフォード・ワクチン200万回分と、国家衛生監督庁(Anvisa)が22日に承認するとみられている国内生産分のコロナバック480万回分だ。
保健省は既に、予防接種ワクチンの配布は各州の対象者の人数に応じ、平等に行う方針を打ち出していた。だが今回はアマゾナス州の窮状や、感染力が強い変異種の存在と変異型ウイルスによる再感染の発生も確認されている事を考え、新規配布分のワクチンの5%を同州に割り当て、残った分を各州の対象者数に応じて割り振ろうという提案がなされた。
会議に出席したピアウイ州のウエリントン・ジアス知事は会議の直後、「マナウスの窮状は深刻で、他の地域でも医療崩壊が広がっている」とし、「人道上の問題」との見解を表明した。同知事によると、出席者の中からは反対を唱える声は出なかったという。この会議には、知事や各地域の保健衛生の専門家、保健省担当者らが出席しており、保健省の担当者の中からも賛同する声が出ていたという。