オックスフォード・ワクチンの治験と国内生産を担当しているオズワルド・クルス財団(Fiocruz)が23日、完成品のワクチン1500万回分の追加輸入のためにアストラゼネカ社と交渉中である事を明らかにした。
Fiocruzのニジア・トゥリンダーデ会長によると、想定外の追加輸入交渉は、中国からの原材料(有効成分)の到着が遅れている事で生じる国内生産と、国家衛生監督庁(Anvisa)による緊急使用承認の遅れをカバーするためのものだ。Fiocruzは、中国から輸入する原材料が届き次第、ビオ・マンギーニョス工場でワクチンの国内生産を始める予定だった。
22日に到着したインドからのワクチン200万回分の配布開始に先立つ会見で、トゥリンダーデ会長は「1500万回分の完成品のワクチンの追加輸入を要請する事で、少しでも大勢の人が少しでも早く予防接種を受ける事ができるよう努めると共に、1日も早く国内生産を開始する事ができるよう願っている」と述べた。
同会長によると、ビオ・マンギーニョスでの技術移転と国内生産までの間のワクチン供給は、アストラゼネカ社との契約に盛り込まれている。生産開始までの間、取り急ぎ、1500万回分の完成品ワクチンの入手に向けて動いているという。
Fiocruzではオックスフォード・ワクチンの治験と共に、輸入と国内生産とで計1億1040万回分のワクチンを供給する事になっている。今回の交渉は、追加輸入要請により、ワクチンの国内生産の遅れをカバーすると共に、今後数カ月にわたって続く予定のワクチン供給を早める目的で行われている。
もちろん、最大の関心事は中国からの原材料の早期到着で、そのための努力も継続する。同会長によると、原材料の到着は2月8日の予定だが、中国からの輸入手続きは煩雑で、明確な日付は確定されていないという。
ビオ・マンギーニョス担当理事のマウリシオ・ズマ氏は、Fiocruzは月々1500万回分のワクチンの原材料を750万回分ずつ2回に分けて受け取る事になっている。到着が遅れた場合は常に、次の分の入手を早めるよう働きかけるつもりだという。
ズマ氏によると、ビオ・マンギーニョスの生産能力は月間1500万回分を上回っており、原材料さえ届けば、約束した量のワクチンのより早い生産と納品が可能だという。(24日付アジェンシア・ブラジルなどより)