英国で昨年6~11月に行われた医療従事者2万人以上を対象とする調査で、新型コロナに感染した人の83%は抗体がある事が判明した。
新型コロナに感染して抗体を得た6614人中44人は再感染したが、感染した事がない人と比べると感染率は83%低かったのだ。症状を伴う再感染例は非感染者より94%、無症状の再感染例は75%少なかった。
同調査は継続中で、感染でできた抗体が有効な期間の長さは不明だ。また、科学雑誌などによる追跡調査もまだで予備調査の域を出ていないが、感染者が再感染する可能性がある事は明らかだ。
調査リーダーのスーザン・ホプキンス氏によると、罹患後20週以内に重篤な感染症を起こす可能性は少ないが、回復後の検査で高レベルのウイルスが検出され、再感染が疑われる人や、周囲の人に感染を広げている可能性がある人はかなりいるという。
これは、抗体獲得後の患者の鼻や喉にウイルスが残り、感染を広げている例が相当数ある可能性を示す。
長期にわたる追跡調査はリオ連邦大学も行っており、数カ月間ウイルスが検出される人がいる事などが確認されている。
これらの調査結果は予防接種後も感染が起こり得る事や、接種後もマスク着用や手指消毒、社会的な距離が必要との説を納得させる。
今後は、12月に確認された感染力が強い変異種にも抗体が有効かや、回復後にウイルスを拡散し得る期間などの調査が必要だ。ファイザーなどは英国型変異種にも同社ワクチンが有効というが、マナウス型はまだ研究中だ。
イスラエルでは予防接種開始後、重症で入院する人が減ったようだが、もう感染したからと無防備で出かけたり、人混みを生じさせたりする事が自分や周りの人を危険にさらす事もこれらの調査は示している。 (み)
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