22日、サンパウロ州の外出自粛規制のさらなる厳格化が発表されたが、これはかなり厳しいものだったように思う。州内すべての地域で、午後8時から午前6時にかけては最も厳しい赤レベル。
これはまだ良いのだが、コラム子にとって「これは厳しいな」と思ったのは、「土日と祝日に終日適用」というものだった。
商業施設にとって「土日が両方使えない」というのはかなりの打撃だ。仮に月曜から金曜に商業活動が認められていたにせよ、土日が開かないとなると売り上げ的には通常の半分にも満たなくなるのではないだろうか。
現在、バーやレストランの業界関係者が連日のようにデモを行っているが、それも納得。彼らにとってはこれは死活問題。全く営業が認められなかった昨年の第2四半期の業績がトラウマが頭にあるから、引き下がるわけにもいかないといったところだろう。
外出自粛規制には基本賛成のコラム子ではあるが、土日のうち、片方は営業させても良いのではとは思わないではない。
もっとも「経済活動を休ませたくない」というのはサンパウロ州政府側の本音でもあるだろう。現状、5段階中の2番目の地域では月〜金の午後8時までの営業は可能だが、これを現在許されている都市は、聖市やグアルーリョス、オザスコ、ABC地区のある大サンパウロ市圏やカンピーナス、サントス海岸部といった、人口の多い市が集まる地域ばかり。
「規制段階は入院率で決める」とは言いながらも、これらの市がのきなみ商業活動をまだ認められているところからすると、州経済の流れを止めたくない州の本音は感じられる。
今年に入って、これまでであれば黄レベル(3段階)でなければ認められなかった美容院やジム、公園の運営などをオレンジでも認めているのも、こうしたことが考慮にあるからだろう。商業活動のみならず、市民のメンタル・ヘルス(精神衛生)のことも気にかけていることだろう。
昨年の第2四半期のときは、はじめてのことでもあったし、「協力すればパンデミックは終わるはず」と信じて我慢してやれた。ただ、いったん規制緩和をし、便利な生活の有難みを味わった今、「また、あの憂鬱な段階に逆戻り」と言われてしまうと、最初は飲み込めても、集中力が長く続くかは正直なところ微妙か。
このあたりは、「赤、オレンジ・レベルであっても、授業は行う」とした判断にも見て取れる。外にも出れず、友達にも会って遊べずでは、一番精神的につらいのは子供であるだろうから。
コラム子の本音としては現状を最低レベルとしてなんとか継続して欲しいと願いたいところだが、いかがだろうか。(陽)