サンパウロ市のジャパン・ハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)が19日から『パッケージング:日本の現代デザイン展』を開催中だ。同展キュレーターのナターシャ・バルザーギ・ジーネン企画担当局長は、ニッパキ紙の取材に対し「同展を通して日本の持ついくつかの文化的側面を発見することができると思います」とそこに込められた文化的な奥深さを解説した。
「例えば贈り物をするときの気遣いと消費習慣です」とジーネン企画担当局長は例を挙げる。「パッケージは店の持つコンセプトを表現する一方で、忙しい一日を円滑にするための商品が多く、食品類では特に顕著です」と説明する。
同展でも展示されている21年のパッケージデザイン大賞で金賞に入賞した「猫キャップ」(サントリーコミュニケーションズ株式会社)からその一面を解説。「猫キャップは」3Dプリンターを用いて、ペットボトル飲料水の蓋の側面に猫の耳が取り付けられているデザインが特徴的。2月22日の「猫の日」にあわせた販促キャンペーンの記念品として制作された。
シンプルな形状で遊び心あるデザインながらも、力の弱い人や高齢者が蓋を開けやすくなる機能性を持つ。「より多くの消費者が使いやすいものを追求する、常に改良を模索してきた側面がパッケージにも見られる」と解説した。
桑名良輔在サンパウロ総領事は「現代的な部分と伝統的な部分の両面を見る事ができ、非情に興味深かい展示でした」とコメントを寄せた。
同展会期は3月14日まで。開館日時は火曜日から日曜日のうち11時から17時まで。コロナ禍のためオンラインでの事前予約者の優先入場を行っている。予約はサイト(https://agendamento.japanhousesp.com.br/)から。
同展に関するオンライン講演会「日本のパッケージデザイン:サントリーパッケージについて語る」が2日(火)午後8時に同館ユーチューブチャンネル上で開催。サントリーコミニケーションズのクリエイティブディレクターの水口洋二氏を招き、デザインについて語る。
この他に、会議アプリZOOM上(http://bit.ly/EmbalagensOn)を介したオンラインイベント「包装展を知る。日本の現代デザイン」が2月12日(金)と26日(金)の午後5時よりで開催予定。
機能性とデザイン性の両面を意識した日本国内のデザインがどのように進化し、伝統的技術が変容していったかを語る。
参加希望者はZOOMのユーザー名に氏名(ニックネームは不可)を記入すること。また、パソコンからの参加や5分前の入場、参加に必須ではないが入場前のマイク・カメラ機能を推奨している。
オンラインイベントへの参加問合わせは同館(メール=educativo@jhsp.com.br)まで