新型コロナのパンデミック下で妊娠、出産した人々は様々な不安やパニックに陥っており、サンパウロ市では子供の出生数が減少した事も明らかになったと1月31日付現地紙が報じた。
同市で最初の感染者が確認されたのは20年2月26日、翌月には最初の死者が確認され、外出自粛も始まった。在宅勤務奨励など、行動様式の変化も求められる中、多くの家庭はこの時期、何が起きるかの見当もつかず、将来の計画も立てられない状態に陥った。こうした事情故か、同市で昨年生まれた子供の数は前年より約8%減った。
国連の予想では、20~25年のブラジルの子供の数は各家庭の平均で1・7人と見られているが、この数字は10~15年の1・8人とほとんど同じだ。
サンパウロ市での出生者数は、17年の18万9700人以降、18年2・5%、19年4%といった具体で減っていたが、昨年は前年の17万7600人から16万3500人に7・9%も減った。
月別に見ると、昨年10月に出まれた子供は前年同月比で4%減の1万3100人だったが、11月生まれは前年同月比で4・5%減の1万2800人、12月生まれは前年同月比で10%減の1万2700人と、減少傾向に拍車がかかった。
パンデミックの最中に出産した人の中には、精神的、経済的に大変だった上、社会隔離のため、夫や母親に付き添いを頼むのが困難だった、子供同士や母親同士の交流の場が減った、自分も感染して子供の世話ができなかったといった苦労を漏らす人もいる。
コロナ感染症による死者と出生数減少で、20~21年の総人口すら減少する可能性があるという。