最高裁のリカルド・レヴァンドウスキー判事は1日、ルーラ元大統領の弁護人の訴えを認め、2019年6月以降のヴァザ・ジャット(VJ)報道で暴露された、セルジオ・モロ元パラナ州連邦地裁判事と検察庁同州支部のラヴァ・ジャット作戦班検事らとの会話内容を公開することを認めた。1、2日付現地紙、サイトが報じている。
レヴァンドウスキー判事が許可したのは、2019年7月の連邦警察の「スプーフィング作戦」で逮捕されたハッカーから押収された、モロ氏やラヴァ・ジャット班の携帯電話をハッキングした会話内容だ。その一部は2019年6月にサイト「ジ・インターセプト」に渡され、ヴァザ・ジャット報道へと発展した。
そこでは、モロ元判事がパラナ州検察局に対して捜査そのものの指揮を行っているかのような、検察との癒着状態を疑われる言動、他の著名な政治家への捜査や報奨付証言の採用を渋るなどの政治的な選り好み、ラヴァ・ジャット主任のデルタン・ダラグノル氏がルーラ氏を有罪とする検察側の主張に確証を持っていなかった事実などが明かされた。
この報道は大きな波紋を投げかけ、モロ元判事が2017年にルーラ氏に下した9年の実刑判決の正当性を疑わせるという結果を生んだ。それが遠因となり、19年11月のルーラ氏釈放につながった。
今回、レヴァンドウスキー判事が許可したのは、ハッキング内容の大元の内容で、文書にして約50ページにも及ぶ資料だ。その一部は先週、同じくレヴァンドウスキー判事がヴェージャ誌に公開を認めたために報道された。その内容はすでに、ルーラ氏の弁護人に渡されている。
新たに公開を認められた文書の中でも、モロ元判事がダラグノル主任に対し、自分がラヴァ・ジャット作戦の被告らに出した判決に対して連邦検察庁が控訴したことへの苛立ちをぶつけるなど、裁判所と検察との独立性が疑われる言動がすでに報じられはじめている。
ルーラ氏側は、これを証拠として、3審まで有罪となっているサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介した贈収賄などの嫌疑に基づく判決を無効化したいと考えている。