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《ブラジル》問題下議が下院最重要ポストに就任?=虚報問題で捜査受ける最中に

キシス下議(Camara)

 現在行われている下院の役職人事で、憲政委員会(CCJ)の委員長にビア・キシス下議(社会自由党・PSL)が有力視されていることが明らかとなり、物議を醸している。同下議は熱心なボルソナロ支持派として知られ、フェイクニュース捜査の対象にもなっている。3日付現地紙、サイトが報じている。
 キシス下議をCCJ委員長にとの案は、1日に下院議長に当選したアルトゥール・リラ新議長(進歩党・PP)が意図している。リラ氏はボルソナロ大統領の強い後押しを得て、下院議長に当選した経緯がある。
 CCJは議会内で審議される内容が合憲であるかどうかを審議する、下院の中でも最重要な委員会。大統領罷免問題を含むすべての案件は、最初にCCJでの承認を受けてから、次の手続きに入る。
 そのような「遵法性」が強く求められる委員会のトップ候補に、フェイクニュース捜査で疑惑をもたれているキシス氏の名前が挙がっていることが問題となっている。

 キシス氏は大統領三男エドゥアルド下議やカルラ・ザンベッリ下議と並び、ネット上でボルソナロ支持者を過激な言動で煽る存在として有名で、昨年はフェイクニュース捜査でツイッター凍結処分を受けた。「反連邦議会・反最高裁」の「反民主主義行為」の捜査でも、同テーマのデモを呼びかけるサイトに資金提供を行った疑惑をもたれている。現在も、コロナウイルスに関して「重病ではない」「集団隔離は不要」などとネットで説いている。
 キシス氏は2日、「光栄なことに、フェリペ・フランシスキーニ下議(PSL)に代わってCCJ委員長をまかせられることになった」とツイッターで喜びを語っている。
 ただ、キシス氏の指名は、議長選でリラ氏に投票した政党から強い反対を受けているだけでなく、リラ氏の側近やPSL党員たちからも強い反発が起きている。そのため、指名が流れたり、委員会のメンバーから委員長選出を拒否されたりする可能性も出てきている。