20/21農年の大豆の収量は1億2700万トンで新記録達成と見られているが、マット・グロッソ州の大豆産地の一部で収穫前の大豆の腐敗が起き、最大20%の減産となる可能性ありと7日付現地サイトが報じた。
ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)によると、問題が起きているのは、マット・グロッソ州のソリーゾやイピランガ・ド・ノルテ、タプラーだ。
同様の問題は昨農年も起きたが、今年はより顕著で、同地域の生産性は最大20%落ちる可能性がある。
同公社では、大豆の腐敗は天候が不順だったためとみている。同地域は干ばつに苦しんでおり、20年9月末~10月初めには高温も続いた。
雨不足や気温上昇は、様々な作物の作付時期や収量に影響を及ぼす。菌類が原因の可能性もあるが、問題が起きている地域では、問題のない地域同様、菌類の発生を抑える薬を散布している上、菌類は腐敗している大豆からも健康な大豆からも見つかっており、決定要因とはいえないという。
調査員達は病気が発生した原因解明に努めており、異常が起きた大豆の栄養状態、鞘(さや)に含まれるリグニンの量と豆のしわとの関係なども調査している。リグニンはセルロースなどの多糖類同様、植物の細胞壁を構成する主要成分だ。
現時点では豆の腐敗は同地域に限定されているため、全国規模の収量減を招く心配はないと見られているが、マット・グロッソ州は全国有数の大豆生産州であり、主要産地での問題は気がかりだ。
地理統計院は昨年12月、20/21農年の大豆収量は前農年より5・1%(630万トン)増え、新記録更新の見込みと発表していた。