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《記者コラム》イスラエル並に迅速な予防接種を!

イスラエルでの接種効果について報じた3日付G1サイトの記事

イスラエルでの接種効果について報じた3日付G1サイトの記事

 ブラジルで新型コロナの予防接種が始まって3週間余り。9日現在の接種者は、2度目の接種も済んだ5万人余りを含め、400万人を超えた。ブタンタン研究所のジマス・コーヴァス所長は「接種効果は4月頃から出始める」との予測を1月に発表した。
 一方、12月に早々と接種を始めたイスラエルではすでに、38%の人が最低1度、22%が2度の接種を受けた時点での効果を確認している。
 それによれば、60歳以上で接種を受けた約750万人を最低1週間観察したところ、0・07%相当の531人が感染したが軽症、中程度の感染者はパーセンテージが出せないほど少数の38人だった。60歳以上の接種者からの死者は3人で、接種前に感染したのか、抗体ができる前に感染したのかは不明だったという。
 同国の人口は900万人で、500万回分のワクチンが配布され、約100万人が2度目の接種を受けた。内、抗体形成前に感染した人は7千人超で、700人弱が中程度の症状を呈し、307人が死亡した。感染例減少は初回接種から2週間後から続き、2度目の接種から1週間経つとより顕著になったという。
 同国はロックダウンも継続中で、観察しているのは接種者だけ。実験的な非接種者群は作っていないし、接種完了までは接種者にも社会的距離を保つ事を求めている。
 だが、早期に接種を始めた地域と接種者が多い地域の双方で60歳以上の感染者や入院患者が減り、ロックダウンだけでは見られなかった効果が出ているという。
 2度目の接種後、1週間以上経ての感染者は0・03%で、全員が入院不要な軽症者だった。3日現在の同国の感染者は67万2千人、死者は5千人で、感染率はブラジル以上だが、死亡率はブラジルより低い。
 ブラジルでは感染力の強い変異株による感染拡大や再感染があり得、当面は接種後のマスク着用や社会隔離も必要だ。ブラジルの人口は23倍もあるが、イスラエル並に迅速な予防接種実施とその効果を期待したいところだ。 (み)