サンパウロ州内陸部アララクアラ市が14日に州内初のロックダウンを採用、15日に適用を始めた。感染力が強い変異株による市内感染が確認されたためで、他の自治体でも感染拡大懸念が広がっている。
14日には全国の直近7日間の死者が1日平均で初の1100人超えなど、予断を許さない状況が続いていると14、15日付現地紙、サイトが報じた。
アララクアラの変異株は英国型とマナウス型。同市はサンパウロ州のコロナ対策「プラノ・サンパウロ」で赤レベルだったが、感染者増が続き、若い人の入院が増えた事でサンプルの分析を依頼したところ、20人の変異型感染が確認され、ロックダウンを採用した。14日現在の病床占有率は一般病床100%、集中治療室96%だ。
変異株の感染拡大はより早く、医療崩壊が起きれば死者増加も招く。同市では12日に過去最高の1日6人の死者を記録。1日平均の死者と入院者数も、123・5人と184人で新記録を更新している。近隣のジャウー市やアグアス・デ・リンドイア市も変異株確認で、外出規制などを強化している。
変異株による感染例は少なくとも10州で確認済みだ。サンパウロ市では13日にアマゾナス州に行った事がないマナウス型感染患者が確認されたが、この事は同型が市中感染し始めた事を示す。サンパウロ州のマナウス型患者は25人で、内16人は市中感染だ。
加えて、私立校での対面授業再開のためか、サンパウロ州内の公立小児科病院で新型コロナの入院患者が増えている。サンパウロ市内の3病院では、9日の入院者数が2日比で71%、125%、29%の増加を記録。
サンパウロ大都市圏や内陸部でも同様の傾向が確認されている。対面授業再開は1日が私立校、8日が州立校、15日がサンパウロ市立校と続いており、今後も子供の感染者増が予想される。
一方、全国の感染者は14日現在で983万4513人で100万人あたりの感染者は4万6798人、死者は23万9245人で100万人あたり1138人が死亡している。8~14日の7日間の死者は7711人で、初の1日平均1100人超えとなった。
7~13日(感染学上の第6週)の新規感染者は31万1959人で前週より2・8%減ったが、死者は7520人で前週比で6・4%増えた。同週は新規感染者が前週を上回った州が13、死者が前週を超えた州は17あった。
アマゾナス州では感染者が20・3%、死者も3・4%減ったが、1月14日に病院の酸素が尽きて窒息死が起きたマナウス市では現在も酸素の需要増が続き、寄付に頼る毎日だ。
アクレ州は感染者、死者が共に41%弱増えたし、死者に限ればロライマ州が倍増。パラー州54・2%や北大河州39・1%、ゴイアス州31・5%なども急増中で、医療崩壊が起きた自治体も増えている。
カーニバルの休日キャンセルにも関わらず、サンパウロ州海岸部やリオ市では海岸がマスクも着けない海水浴客で埋まり、違法なパーティも各地で開かれた。3密発生で今後の感染者増や死者増は不可避だが、ワクチン不足で予防接種キャンペーン中断など、市民の感覚や政府の対策がかみ合わない状態も続いている。