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《ブラジル》現役下議を異例の現行犯逮捕=「最高裁判事を全員交代せよ!」軍政令擁護の過激動画を投稿

シルヴェイラ下議(Camara)

 16日夜、ボルソナロ大統領支持派の代表的政治家として知られるダニエル・シルヴェイラ下議(社会自由党・PSL)が、ネット上の動画で「最高裁判事を全員クビにして新しい判事を選べ」などの発言を行い、民主主義を無視し、暴力を扇動するなどの理由で現行犯逮捕され、騒動となった。16、17日付現地紙、サイトが報じている。
 16日夜、シルヴェイラ下議はユーチューブ上に動画をあげた。それは同下議が、エジソン・ファキン最高裁判事が15日に行った発言に激昂して作成したものだった。
 ファキン判事はこの日、陸軍大将のエドゥアルド・ヴィラス・ボアス元総司令官が、「2018年4月のルーラ元大統領への人身保護令適用をめぐる裁判の前日に行ったツイートは、軍で推敲したものだった」とし、軍がクーデターを起こしかねないとちらつかせるようにして最高裁を威嚇し、ルーラ氏への刑執行を図ったと認めたことを、「きわめて深刻で、受け入れがたい」と批判していた。
 ヴィラス・ボアス氏は16日、ファキン判事の発言に対し、「3年経ってから」と投稿し「いまさら何を」という雰囲気を醸し出した。ジルマル・メンデス最高裁判事はそれを受け、「三権分立は民主主義の基礎の基礎」として、軍政を強く批判した。

 シルヴェイラ氏の動画発表はこの後で、「最高裁の判事たちは国のために尽くさない」「個性も、判断力も、道徳心もない」などと批判。同氏は判事6人を名指しし、各人を威嚇するように評したが、とりわけ、昨年6月に自身を反民主主義行為捜査、フェイクニュース捜査の対象としたアレッシャンドレ・デ・モラエス判事と、ファキン判事の二人に関し、「ヴィラス・ボアス氏を逮捕するならしてみろ」とばかりに感情的な侮蔑語で挑発した。
 同下議は、軍事政権(1964―85年)中最悪の法律と言われる「軍政令第5号(AI5)」を肯定し、判事全員の更迭を求める動画を投稿した。
 すると、これに気がついたジャーナリストのレイナルド・アゼヴェド氏が、UOLサイトにコラムを緊急寄稿。同氏がシルヴェイラ氏の行動を「民主主義を脅かし、暴力を扇動する」と批判し、即刻の逮捕を呼びかけたことで、動画に関する話題が一気に広まった。
 これを受け、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事が即刻逮捕を命じたため、連邦警察が動き、16日深夜にリオ州ペトロポリス市で現行犯逮捕された。シルヴェイラ氏は逮捕される直前、「自分に逮捕令状が出された」とのツイートも行っている。
 シルヴェイラ氏は2018年10月の下院議員選挙のキャンペーンで、同年3月に射殺されたマリエレ・フランコ元リオ市議を記念するネームプレートを演壇上で叩き割り、話題を呼んだ。また、2019年には「教育現場を見たい」とリオ市の学校に入り込み、無許可での撮影行為を行った上、ボルソナロ派と意見の対立したPSLの下院リーダーに盗聴行為を行うなどの問題行動を繰り返していた。逮捕後も、警察署でのマスク着用を拒否し、口論する姿が目撃されている。
 連邦議員の逮捕には議会の承認も必要なため、最高裁と下院は17日午後、シルヴェイラ下議の逮捕延長をめぐって審議を行っている。

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