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大塚さん=タオル筆絵手紙で「奨励賞」=平和と絆訴え、9度目の入賞

大塚さんと入賞作品。

大塚さんと入賞作品。

 「9度目なので報告はもういいか、とも考えたのですが『こんな世相だからこそ出してもらったら』と生徒に背中を押されて」――9日(火)に来社し、大塚弥生さん(76、山口県)はそう謙遜しつつ、奨励賞受賞の報告した。
 大塚さんは昨年の大阪府泉佐野市教育委員会主催の「第11回全国タオル筆で描く絵てがみコンクール」へ応募し、日本国内外で2148点の応募作品から「奨励賞」を受賞した。
 縦70センチ・横35センチの用紙に、鮮やかな赤と縦半分目一杯に描かれたエルコニアの花の大胆な構図が目を惹く。添えられた詩「絆とはつなげること/つながっているから美しく温かい/世界の人が手と手をつなげたらテロも戦争も起こらないだろう」も強いメッセージを放つ。
 「昨年はコロナ禍で家族と会えなくなり大変でした」と制作当時を振り返る大塚さん。アフガニスタンで銃殺された医師の中村哲さんの報道も衝撃的だったよう。その入り混じる想いが、詩の中に絆と平和への想いとして表現された。また「エルコニアの花の赤色は心が燃えるのをイメージした」と説明する。
 コンクールの第1回目から毎回応募しており「最初の3回ほどは入選も入賞も出来なかったんです」と振り返る。「タオル筆らしい味わいをしっかり出すのがコツ」とポイントを語る。
 タオル筆も1本だけでなく、太いものや細いものも手製で作り、絵や文字で太さを使いわけているのだという。