ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》シルヴェイラ下議の勾留延長が下院でも決定的=「350人ほどが賛成」か?=倫理委員会で罷免審議も

《ブラジル》シルヴェイラ下議の勾留延長が下院でも決定的=「350人ほどが賛成」か?=倫理委員会で罷免審議も

18日、別刑務所移送となったシルヴェイラ氏(Twitter)

 【既報関連】16日夜に最高裁への威嚇行為などで、異例の現行犯逮捕されたダニエル・シルヴェイラ下議の勾留延長か否かの下院での審議は、19日の午後5時から開始された。下院の大勢は拘留延長を求める構えで、罷免を求める議員も少なくない。本稿締切の午後7時半現在で結果は出ていない。
 一方、シルヴェイラ容疑者は刑務所内でも依然として反抗的で、最高裁への挑発行為を続けていると19日付現地紙、サイトが報じている。
 シルヴェイラ氏の勾留延長はまず、17日に最高裁で満場一致で決められた。同氏の場合は下院議員なので、正式に勾留延長となるには、下院の手続きが必要だ。連邦議会の場合、議員に対しては司法よりも同情的な判断が行われることが多い。
 だが今回の件では、シルヴェイラ氏が下院によって救われる空気はない。同氏と同じ下院内のボルソナロ大統領支持派が、「最高裁による言論統制」などを訴え、同氏の無実をネットなどを通して訴えるなどして圧力をかけている。
 それもあって、アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)は当初、この審議の報告官を、予定していたカルロス・サンパイオ下議(民主社会党・PSDB)ではなく、マグダ・モファット下議(自由党・PL)に交代させている。サンパイオ氏は事件発生直後から、シルヴェイラ氏の行動を強く批判していた。
 だが、下院全体の意向はボルソナロ派とは異なる。下院の議長団や下院の政党リーダーたちはほとんどが、シルヴェイラ下議の勾留延長に賛成だといわれている。下院の連邦政府リーダーのリカルド・バロス下議(PP)は、「350票ほどが勾留延長に賛成するだろう」との見通しを明かした。

 バロス下議自身は、下議の現行犯逮捕に関し、必要とされる下院の承認を通して欲しかったと思っており、「(逮捕を命じた)モラエス判事の判断は大げさ」と語っている。
 にも関われず、下院が全体審議を開き、勾留延長に動いていることについては、「我々は当初、シルヴェイラ氏を90日間の謹慎処分にすることで手を打ち、勾留延長の全体審理を避けようとした。だが、彼自身がそれを拒んだ」と、同下議は説明した。
 下院の議長団はシルヴェイラ氏の議員罷免も考慮に入れており、23日にも倫理委員会に同氏の罷免問題をかける予定でいる。
 シルヴェイラ氏の件に関して連邦政府は一切干渉は行わず、「下院に任せる」との姿勢を見せている。
 一方、シルヴェイラ氏は18日、リオ市の連邦警察からニテロイ市にある軍警の特別刑務所に移送された。特別刑務所でもシルヴェイラ氏は、「俺が最高裁の素顔を見せてやる」などと叫ぶ姿が報じられている。また、シルヴェイラ氏は連警での収監中、携帯電話を二つ隠し持っていたことがばれ、没収処分を受けている。
 モラエス最高裁判事は18日、携帯電話の通信記録や入手ルートについて捜査することも命じた。