ブラジル国内ニュースFree

《ブラジル》ペトロブラス総裁更迭で株価20%超下落=ブラジル銀行やエネルギー関連株も=投資会社は一斉に売り推奨

ボルソナロ大統領(Antonio Cruz)

 【既報関連】ボルソナロ大統領が19日に行った、ペトロブラス社総裁人事への介入に市場が猛反発。22日には、ペトロブラスの株価が、同石油公社の歴史上、2番目となる大幅な落ち込みを記録し、市場の予想を大きく上回る742億レアルを失った。同大統領が指名したジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ氏を承認するか否かの判断は、23日の経営審議会で行われるが、結果次第でさらに大きな落ち込みも考えられる。22、23日付現地紙、サイトが報じている。
 19日のサンパウロ証券取引所(B3)の株価指数(Ibovespa)は、前日のボルソナロ大統領の発言のため、カステロ・ブランコ総裁の解任を発表する前の時点ですでに0・64%下がっていた。この時点ではペトロブラスは、人事騒動の件で280億レアルを失うと予想されていた。
 ところがふたをあけてみれば、22日は通常の株価(PETR3)で20・48%、優待株価(PETR4)で21・51%と、ともに20%を超える大きな落ちこみとなった。
 ペトロブラスはこの日だけで総額742億レアルを失った。これは2020年3月9日に記録した911億レアルに次ぐ、ワースト2の記録となった。
 だが、今回の件が問題なのはそれだけではない。株価暴落は、今後、民営化推進が予想される他の公社にも及んでいる。ブラジル銀行(伯銀)の通常株(BRAS3)は11・65%、電力公社エレトロブラスも、通常株(ELET3)で0・69%、優待株(ELET6)でも0・17%の下落を記録した。両社はこの日、108億レアルと2億8千万レアルを失った。
 ブラジル銀行の現総裁はすでに、人員削減や支店閉鎖などの改革案を提示し、大統領の不評を買って更迭されかかっていただけに、「まだ変わる」との大統領発言後の市場側の反応も早かった。

 投資市場の反応も厳しい。XPインヴェスチメントスは21日、ペトロブラスの株は「護る術がない」として、同社株への評価を「ネウトロ(中立)」から「売り」に引き下げた。TAGインヴェスチメントスの戦略担当のダン・カワ氏も、「大統領の干渉行為は黄色信号。現地の政治的な状況を考えれば赤信号」と酷評。
 ミラエ・アセット社も、「調子よく来ていた企業(ペトロブラス)を身売りに追い込みかねない行為」との判断を下している。
 トロ・インヴェチメントスのラファエル・パノンコ氏も、「改革案承認や財政の立て直し、公的支出抑制などの緊急課題を抱えている上、負債も急増中で、ブラジルの現状は決して良くない。これらはみなパンデミックが原因だが、パンデミックはまだ終わっていない」との言葉で懸念を表明している。
 大統領が指名したジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ氏が実際にペトロブラスの新総裁になるかは、23日に行われる同社の経営審議会で審議される。そこで承認されれば、さらに株が暴落することもありうる。
 ルナ氏の存在も、市場の不安要素となっている。その理由は、同氏が関連分野での経験や専門的な知識を持っておらず、ペトロブラス総裁になるための資格を満たしていないと思われているためだ。ただし、経営審議会の過半数は連邦政府が送り込んだメンバーが占めているため、承認は固いと見る向きが多い。
 大統領は22日、「ルナ氏はペトロブラスの経営をうまくまとめてくれるはずだ」と発言。それに対して、経営審議会のマルセロ・メスキータ氏は、「ペトロブラスは株主や投資家たちに、連邦政府は干渉などしないということを示さなければならない」とCNNブラジルに対して語っている。
 ペトロブラスは以前のPT政権時にインフレ抑制のために燃料価格据え置きなどを強要されたことで生じた莫大な損失を取り戻している最中。カステロ・ブランコ氏の努力や手腕は高く評価されていた。市場関係者は、大統領がディーゼル油の価格表作成などで同社の経営に介入し、回復を困難にすることを恐れている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button