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静岡文化芸術大学=オンラインで青少年派遣事業=浜松からサンパウロにプレゼン=市の魅力を存分にアピール

左から通訳担当の宮城さん、発表した山下さん、南部、佐野さん、竹内さんの5人

左から通訳担当の宮城さん、発表した山下さん、南部、佐野さん、竹内さんの5人

 「発表を終えた時のParabéns!の文字は忘れられません」――静岡文化芸術大学(静岡県浜松所在)の2年生でポルトガル語を学ぶ山下夏実さんは、浜松から聖市のジャパン・ハウスに向けてオンライン発表を行った達成感を、そう綴った。2月22日に日本外務省、静岡県庁、ブラジル静岡県人会が連携する「ブラジル青少年派遣事業」による意見交換会として、同大学の学生4人による発表が8時から10時半にかけてオンライン会議システムを通じて行われた。

 

 佐野美咲(さの・みさき、国際文化学科3年)さん、南部知沙(なんぶ・ちさ、国際文化学科3年)さん、竹内唯(たけうち・ゆい、デザイン学科3年)さん、山下夏実(やました・なつみ、国際文化学科2年)さんの4人が発表した。
 19年に同事業のインターシップに参加して来伯した宮城モニカ・ユカリ(国際文化学科4年)さんは今回通訳を務めた。

2月16日のリハの様子。

2月16日のリハの様子。

 本来なら学生が数週間ほど来伯し、ジャパンハウスでの研修や静岡県人会との交流を行っていたが、今年はコロナ禍によりオンラインの勉強会とプレゼンテーションという形になった。
 発表のテーマは、ジャパン・ハウス(エリック・クルッグ館長)から提示された『JHにおける新たなイベント・企画をビジネス・学術・観光の視点から提案する』で、「新(innovation)」「古(tradition)」「改(fusion)」を切り口に浜松の魅力を語った。
 『新』では浜松市内に本社を置くスズキやヤマハの革新的な事業展開を、『古』では鳥居をはじめ神社、浜松市内の伝統的な凧揚げ行事を紹介。『改』では他文化を日本風に変化させる事によって受容してきた事や、昨今の日本での生活様式の変化などがまとめられた。
 発表後に質疑応答となり、続々と質問が寄せられた。「ビジネス観光で訪れた人が現地での観光は可能ですか?」との質問には、宿泊施設が集まる浜松城周辺や、浜松駅内にある誰でも弾けるピアノなどを紹介した。
 国際文化交流に興味があり、海外に日本の魅力を伝える分野で活躍したいという佐野さんは「想定より多くの質問やコメントを頂き、現地の方が求めるプレゼンテーションが出来たように感じました」との手応えを感じた様子。
 ブラジル静岡県人会の原永門会長は、「今年はコロナ禍で学生達がブラジルに来られず残念でしたが、発表は非常に素晴らしい内容でした。文化や知識の交換は非常に重要です」と事業の継続と展開を期待すると供に、関係者に感謝を述べた。
 クルッグ館長は同大学や県庁、同館スタッフへ感謝の言葉を送り「この発表は、同じく日本を発信しているJHにも重要」とうなずき、「静岡県だけでも非常に要素が多い。日本はまだまだ多くの面白い要素があると実感。学ぶべき事がたくさんある」とコメントを寄せた。
 同館にとっても「今の日本を生きる若者」の意見を取り入れる機会となり、「企画中のプロジェクトにある盲点や将来的なプロジェクトの参考にもなった」と黒川ジエゴ渉外担当が説明した。
 池上重弘教授は、オンラインのみの参加や浜松市内に限定した調査となったものの「浜松市の魅力をブラジルの皆様にお伝えする事が出来た。日本にいたことで追加調査ができ発表の質も高まった」と多くの制限下での活動ながらプラスに転じた様子。さらに「今後もJHとの交流を続けることができれば嬉しい」と交流継続に期待を寄せた。


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 通訳として参加した宮城モニカ・ユカリさんは2019年にブラジル青少年派遣事業で来伯。サンパウロ総合大学(USP)にも留学経験を持つ。通訳として参加し「改めて学ぶことが多かった」そう。「浜松市の魅力を発信する発表にも、知らなかった事が多く新たな発見がありました」と振り返り「プロジェクトが修了しても今後も繋がりがあると良いと思いました」とコメントを寄せた。