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《ブラジル》大統領長男の不相応な豪邸購入が発覚=疑惑のチョコレート店販売収益で=「違法性は全くない」?

フラヴィオ氏の購入した豪邸(Twitter)

 ラシャジーニャ疑惑の渦中にあるボルソナロ大統領長男フラヴィオ上議が、1月下旬に約600万レアルするブラジリアの豪邸を未申告のまま購入していたという新疑惑が1日に浮上した。同上議は先週、連邦高等裁(STJ)で、疑惑捜査の基となった管理審議会(COAF)の資料や、銀行口座などの開示命令が無効とされるという有利な判決を受けたばかりだ。2日付現地紙が報じている。
 豪邸購入の疑惑を報じたのは、サイト「アンタゴニスタ」。同サイトの報道によると、フラヴィオ氏は1月に、ブラジリアの富裕地区ラゴ・スルで売りだされた597万レアルの豪邸を購入したという。
 購入を仲介したのはブラジル地域銀行(BRB)で、310万レアル分がBRBからの融資で360カ月払いとなっている。購入契約が行われたのは今年の1月29日となっている。
 フラヴィオ氏がリオ州議だった2018年に上議選に出馬した際、選挙高裁に申告した資産額は170万レアルで、今回の豪邸の4分の1ほどでしかなかった。上議の月給は手取り2万5千レアルで、上議の給料のみでは2年間で100万レアルにも満たず、今回報道されたような豪邸を買うだけの資金力はなく、つじつまが合わない。

 アンタゴニスタは、フラヴィオ氏が同豪邸を購入した際に契約を交わした企業家のジュセリーノ・サルキス氏にも取材を行っている。同氏は購入の事実を認めており、報道記事では契約書の写しも添付、掲載されている。サルキス氏によると、「違法性は全くない」とのことだ。
 同日にエポカ紙サイトが報じたところによると、フラヴィオ氏は知人にこの豪邸を「リオ市のチョコレート店を売却した金で買った」と説明したと報じており、それがさらに問題を大きくしている。というのも、リオ市のショッピングセンター内にあるチョコレート店は、リオ州議時代に同氏の幽霊職員たちからのキックバックを隠蔽するための資金洗浄用に使われていたとの疑惑が広く報じられていたためだ。
 20年8月にグローボ局が報じたところによると、2015~18年には現金による入金が1512回も行われていた。そのうちの74回は3千レアル、63回が2千レアル、63回が1500レアルという、チョコレート販売によるものとしては不自然な金が動いていた上、入金日がリオ州議会による給与の支払い日周辺に集中していたことも疑問視されていた。
 フラヴィオ氏は2月23日のSTJでの有利な判決を得た裁判以外にも、COAFの資料は無効であるとし、ラシャジーニャ捜査そのものを無効にするよう訴えており、STJが2日に審理する予定だったが、この裁判は1日に無期延期となった。