パラナ州西部のトレード市で2月26日夜、家族揃ってフェスタに行こうとしていた人に、「感染が広がるから」と忠告した医師が暴行を受けるという事件が起きた。
事件が起きたのは州内の感染者や死者の増加を懸念した同州政府が外出規制をより厳しくした当日で、暴行を受けたのは、感染症専門医のジョゼ・エドゥアルド・マイナルト・パニニ氏(31)だ。
パニニ氏はこの日、州内の感染状況が極度に悪化している事とその対策について話し合う会議に出席してから帰宅した。
ちょうどその時、高齢者と同居している家族がフェスタに行こうとしているのに出くわした。同氏は彼らに近づき、州内の感染状況は非常に悪化しており、感染抑制のためには外出禁止措置が必要なんだと語り、外出を思いとどめさせようとしたが、帰ってきたのは暴力の嵐だった。
相手の男性がパニニ氏に殴り掛かったのを見ると、車の中で待っていた友人も加勢。パニニ氏は友人に首を絞められ、床にねじ伏せられたため、男性のなすままに成ってしまった。男性達は同氏だけでは飽き足らず、同氏の妻にも殴り掛かったという。
二人は警察に被害届を出すだけで済まそうとしたが、「このままではだめだ」と思いなおしたパニニ氏が殴られて変形した顔の写真などをインスタグラムに掲載し、事の次第を書き込んだ事で事件が明るみに出た。
「このような人がいるから感染状態がこんなに悪化したんだ。でも、気落ちしてはならない。パンデミックのおかげで科学は進歩したし、ワクチンもできた。これらのものが医療関係者に力を与えるのであり、コロナ禍から抜け出すのを助けてくれるんだ」「1年近くコロナと闘ってきたけど、まだまだ沢山の人が命を落とすだろう。今後の動きは全て、市民と彼らの良心、彼らの行動にかかっている」と同氏が書き込むと、多くの人が応援の言葉を返した。
フォロアーの一人は、「隣人のために命を捧げている人達に暴行を加えるような人がいるとは。医療関係者はこんな無責任な奴らがまいた種を刈り取らなければならないのか? こんな事が起きたのは残念だけど、落胆するな。がんばれよ!」と書き送っている。(1日付G1サイト、2日付イストエ誌サイト、同カトラッカリヴレより)