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《サンパウロ州》最悪「紫レベル」は導入せず=72~74歳接種を22日に開始

10日のドリア知事(Twitter)

 コロナウイルスによる死者が過去最多を更新し、医療崩壊を起こした病院が続出する中、サンパウロ州政府が10日に「赤レベル」規制よりさらに厳しい「紫レベル」を導入することが確実視されていたが、この日はそれが避けられ、代わりにコロナワクチンの次の接種対象年齢のスケジュールが発表された。10日付現地サイトが報じている。
 サンパウロ州では9日、これまでで最高の24時間で517人の死者を記録。また、9日までに州内で25の病院が、集中治療室(UTI=ICU)の占有率が100%を記録。大サンパウロ市圏では、入院を待っている間に亡くなった人の数がタボアン・ダ・セーラで11人、リベイロン・ピーレスで2人、イタペセリカで1人など計14人を記録する事態に至っている。UTIの空きを待つ間の死者は内陸部でも出ている。
 これを受け、サンパウロ州では、かねてから指摘されていた、現状で最低の「赤レベル」よりもさらに規制の強い「紫レベル」の導入が検討され、10日にも政府が発表すると予想されていた。

 紫レベルでは、現状で「生活必需」とされる活動の中から学校と教会を外し、サッカーの聖州選手権の開催も中止。さらに、スーパーや薬局などに関しても営業時間を短縮する予定だった。紫レベルの導入は2月の終わり頃から検討されはじめていた。
 だが、10日は紫レベルの発表は見送られた。同日は午前中にブラジル・サッカー連盟(CBF)が試合開催中止を行わない意向を発表していた。
 この日、サンパウロ州が行った会見では、規制強化の代わりに、22日より72〜74歳のコロナワクチン接種を開始することを発表した。この年齢層の対象者は州全体で73万人いる。サンパウロ州では15日から75〜76歳の接種がはじまると発表されたばかりだった。
 サンパウロ市のブタンタン研究所はこの日、コロナバック、オックスフォード・ワクチンの双方が、現在の感染爆発の元となっている、アマゾナス州マナウスで発見された変異株「P1」に関しても有効であるとの調査結果も発表した。