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《ブラジル》12カ月間の総死者数13・7%増=コロナ犠牲者や関連死で=今年は昨年より悪化

アマゾナス州都マナウスの墓地(Altemar Alcantara.Semcom)

 昨年3月から今年2月までのブラジルでの総死者数は149万8910人で、前年同期比で13・7%増えたと15日付エスタード紙が報じた。
 03年3月~04年2月以降、19年3月~2月までの各12カ月間の死者数は、人口増加に伴い、平均1・7%(2万3千人)増えた。
 だが、昨年3月~今年2月の死者数は平年の7・8倍の18万724人も増えた。サンパウロ総合大学医学部のパウロ・ロツフォ教授は、8倍近い激増は地震や台風などの一時的な災害では起きないとして、全国規模で継続して死者が出るというコロナ禍による影響の大きさを認めた。
 12カ月間の死者増が18万724人で、コロナ禍による2月末までの死者の25万4942人より少ない。これに関して同教授は、外出自粛などで交通事故死や子供の事故死などが減ったためとみている。

コロナの死者の週別の推移(保健省公式サイト)

 他方、感染を恐れたりして診察を見送った事による既往症悪化や、コロナ感染で生じた血管障害や腎臓、肝臓などの疾患で亡くなる人が増えている可能性も指摘した。
 2月末現在のコロナによる死者が1万860人だったアマゾナス州は、昨年3月~今年2月の死者が2万4238人に上り、前年同期比で44・78%増えた。2月末までのコロナの犠牲者が5万9493人のサンパウロ州も、前年同期の死者を19・55%上回った。
 また、今年に入ってからのコロナの死者増加傾向は、2月の死者11万9335人が昨年2月比で28%多い事でも明らかだ。2月のコロナの犠牲者は3万438人だった。3月1~14日の死者は2万3287人(昨年は201人)だから、今月も増加率は上昇する見込みだ。

コロナの感染者の週別の推移(保健省公式サイト)

 14日現在の新型コロナの感染者は1148万3370人、直近7日間の累計は46万4026人(平均6万6289人/日)だった。7~13日(感染学上の第10週)の感染者は50万722人(7万1532人/日)で、前週を18・8%上回った。
 14日現在の死者は27万8229人、直近7日間の死者は1万2818人(平均1831人/日)となり、2月21日の7259人(1037人/日)以降、3週間で76・6%増えた。2月21日以降は連日、新記録更新中だ。
 第10週の死者1万2777人は前週比で26・5%増え、1月7~9日(感染学上第1週)の40・1%に次ぐ大幅増となった。
 昨年12月以降の感染再燃は、年末年始やカーニバルなどでの3密と、英国型(B1.1.7)やマナウス型(P1)、リオ州で見つかったP2といった変異株の影響が大きい。
 14日付フォーリャ紙によると、今年の死者最多週の死者が昨年のピーク時より多い市は40%で、州では44%。今年の最多週の死者が昨年のピーク時より80%以上多い市は15%(50)あった。
 アマゾナス、リオ・グランデ・ド・スル、パラナ、ロンドニアの4州は今年の最多週の死者が昨年のピーク時の倍以上で、アマゾナス州では4倍以上だった。今年は多くの州で集中治療室占有率が上昇中で、死者が増える可能性が大きいため、このパーセンテージは高まりそうだ。