新型コロナの感染再燃に伴う緊急支援金支給は三つのタイプに分けられ、4月から支給となりそうだ。また、雇用維持のための時短・減給措置も復活させる準備が進展中と15、16日付現地紙、サイトが報じた。
緊急支援金支給計画は市民省の最終認可待ちで、対象は4600万世帯の見込みだ。この内の一人暮らし世帯(約2千万)には、150レアルが支給される予定だ。
家族で暮らしている人は、二つのグループに分けられる。一つは失業などで低所得となった男性や家計の中心ではない女性で、対象は1670万世帯、支給額は250レアルの予定だ。
もう一つは、未亡人や一人親などの理由で家計の中心となっている女性で、375レアルが支給される見込みだ。
ボルソナロ大統領は10日、平均支給額は250レアルと発言したが、この時点で大統領が得ていた情報での一人暮らし世帯は1800万で、当時の会議では同グループへの支給額は125レアルとされていた。
現在の見通しでは、支給開始は4月で、支給回数は4回となっている。同件に関する暫定令(MP)は市民省による認可後に出されるが、経済省は、連邦議会が支給額や支給期間に変更を加えないよう願っている。
連邦議会は15日、歳出上限規定枠外で440億レアルの支出を認める憲法補足法案(PEC)を公布。これにより、MP発行と同時に緊急支援金支給を開始する事が可能となった。
他方、雇用維持のための雇用者支援策でもある時短・減給や一時帰休については、失業保険の利用方法などが検討され、「ボルサ・エメルジェンシアル」の名前で復活させる方針が固まった。
時短・減給策は昨年同様、25%、50%、70%の三つに分けられ、時短の割合に応じて企業側が払う給与も減額される。減額分の給与は政府が補填するが、補填額は合意前の給与額に従って算定され、上限もあるため、減額分が全額補填されるとは限らない。
経済省では、一時帰休の適用は116万件、時短・減給の適用は169万件で、計285万件程度と予想している。
最も楽観的な予想は、一時帰休110万件、時短・減給160万件で、必要経費は58億2千万レアルというもの。最も悲観的な予想は、一時帰休120万件、時短・減給180万件で、必要経費も64億6千万レアルと想定されている。
昨年の場合、一時帰休や時短・減給の対象者への給与の補填は、失業保険の一部を切り崩す形で行われた。この方法だと、これらの措置適用に同意した後に解雇された労働者が受け取れる失業保険額が削減されてしまうため、今回は補填額は全て、労働者支援基金(FAT)から支出される事になった。
この制度の適用期間は最大4カ月だ。経済省関係者は、昨年は社会隔離策が一斉適用されたりしたため、工業などでも同制度の適用を必要とする企業が出たが、今回の利用はサービス業が中心となると見ている。