地理統計院(IBGE)が18日、2020年の牛の屠殺は前年比で8・5%減少し、3年間続いていた増加記録が途絶えたが、豚や鶏、卵の生産は順調に伸びたと発表した。
昨年の牛の屠殺数は2970万頭で、前年より8・5%減った。屠殺数減少は、牛肉価格高騰で消費者の不満が高まっている中で起きており、生産農家が肉の価格高騰を狙って、屠殺量を制限しているのではとの憶測が広がっている。
だが、IBGE調査員のベルナルド・ヴィスカルディ氏は、食肉加工に使うのはオス牛が中心だが、オス牛が減ってしまい、飼育数を増やそうとした農家が手元に残ったメス牛まで手放す事を嫌い、食肉加工に回す牛の屠殺数が減ったと分析。肉の価格上昇もそのためだという。
昨年の屠殺数は2970万頭だった2016年と同水準だ。昨年は全四半期で前年同期の屠殺数を下回った。月別で見た場合、6月だけが前年を上回った(6万8600頭)が、4月の場合は前年同月比で38万2600頭も少なかった。
四半期別で見た最悪は第4四半期で、前年同期より9・6%少ない740万頭を屠殺。この数は第3四半期と比べても5・5%少なかった。
州別の屠殺数は27の連邦自治体中24で減った。減少が最も顕著だったのはマット・グロッソ州の57万3600頭で、以下、マット・グロッソ・ド・スル州34万6100頭減、バイア州23万7200頭減、ゴイアス州22万300頭減と続く。
屠殺数が唯一増えたのはサンタカタリーナ数の5万9500頭増だった。
他方、豚の屠殺数は4930万頭で、前年比で6・4%増えた。鶏も、前年比で3・3%多い60億羽が屠殺された。豚や鶏の屠殺数が増えたのは、牛肉が値上がりしたのを嫌い、豚や鶏の消費量を増やした消費者がいたためと見られている。豚と鶏の屠殺数はどちらも過去最高を記録した。
また、卵の生産量は40億ダースで、前年より3%増えた。牛乳も、前年比で2・1%増となる255億リットルが加工用に回された。
皮なめし工場に回された革は、2019年より7・4%少ない3080万枚だった。(18日付G1サイト、同アジェンシア・ブラジルより)