ブラジル日本都道府県人会連合会(市川利雄会長)の「2月度代表者会議」が先月25日、オンラインアプリ「ZOOM」で行なわれ、各県人会代表者や役員が50人参加、ポルトガル語を中心に開催された。 会議では、JICAによる日系社会支援や、サンパウロ日伯援護協会が会員向けの安価なプランを用意したこと、日本祭りの進捗、県人会新会長を中心に話し合われた。
同会議には、JICAブラジル事務所の江口雅之新所長や門屋篤典次長、日伯援護協会の園田昭憲副会長(元県連会長)が参加した。
最初に江口所長がポ語で「今後、県連とJICAがより強く協力できるよう努めますので、よろしくお願いいたします」と挨拶。
次に門屋次長が「移住者の団体に対する助成金交付事業」を説明した。本紙19日付(https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210319-21colonia.html)でも詳報。新型コロナウイルス感染症により経済的打撃の影響を受けている日系団体に各種事業に対して助成金交付を行うもの。
この助成金交付事業は、移住者により構成された法人格の公益団体を対象に補助されるもの。助成枠は2つに分かれており、日本語教育対策や文化対策、医療衛生対策を対象とした活動費助成枠と、施設の新築や改修、またはそれに伴った設備の導入に対する補助を行う施設設備費助成枠を設けている。
その対して和歌山県人会の谷口ジョゼ会長は「この助成金事業を行ってくれることは本当にありがたい。ただ現状、この助成金を申請するためにプロジェクトを計画したり改修工事を行うためのお金を捻出することすら難しい県人会が多いことも事実」と意見した。
門屋次長は「あくまでも何かのイベントなどを行うための補助金であり、県連や県人会の運営・経営維持への直接的補助といったことは協力できるものではない。ただ、活動を行う上で必要不可欠な老人への福祉などがあれば補助が可能です。この助成金で県連・県人会にとって少しでも力になれるように工夫する方法を一緒に考えていきたい」と述べた。
続いて援協の園田副会長が、援協に登録している一般会員と県人会会員の診察料及び検査料を割引する説明が行われた。この件は本紙2月27日付(https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210227-21colonia.html)でも詳報した。同病院の年間会員に入るとリベルダーデ医療センター限定で診察料と検査料に会員割引が適応されるというもの。
この価格表では、県人会会員は診察料が通常200レアルの所、100レに適応され、検査料は平均半額程になる。
園田さんは「現在、会員登録している県人会は29県。後の18県にぜひ会員になっていただきたい。そこで通常県人会の年間会員費は378レですが、今回は特別に200レに割引します。ぜひよろしくお願いします」と呼びかけた。
今期で会長交代した県人会の新会長、前会長による挨拶が順番に行われた。新会長の挨拶では、茨城県人会の本田泉会長や鹿児島県人会の文岡正樹さん、沖縄県人会の高良律正会長、島根県人会のフクマ・エジソン・ヤスユキ会長、長野県人会のスギモト・テレザ・ミドリ氏が挨拶。
鹿児島県人会の上園モニカ前会長や島根県人会の石川セルジオ前会長、長野県人会のシノハラ・ホラシオ・ヒロユキ前会長、茨城県人会の黒澤儀人前会長が退任の挨拶を行った。
県連の市川会長は、「会長職を全うされた皆様、これまでご協力いただきありがとうございました。これからも県連や県人会に助力ください」と述べ、「新しく会長になられた方々、ようこそ。皆さん一丸となって県連を盛り上げていきましょう!」と呼びかけた。
日本祭りについて谷口ジョゼ氏から報告され、3月に会場運営会社エキスポ・サンパウロと開催判断について会議を行う予定だ。このコロナ感染者が増え続ける状態で、日本祭りを開催しても来場者を制限する必要があり、客数は通常の人数よりかなり少なくなる。その上、来場者が少ないイベントに広告を出す企業は自ずと減る為、開催しても赤字になる現状を述べた。会場運営会社を行う会議では、日本祭りを来年に持ち越しにする交渉を行う予定。
県連の市川会長は、「本日JICAによる助成金の提案や、外務省の助成金についても少しでも活用できるように行動しましょう。やることは多いですが、一丸となって頑張りましょう」と締めくくった。