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《ブラジル》棺桶製造が3交代制に?=死者急増に対応必死の葬儀業界=死者のピークは4月半ばか

一面に広がる墓標と墓参りの人々(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 新型コロナの感染再燃で死者数が増えているのを受け、葬儀業界がサービス停止を防ぐための対策を検討し始めた。
 葬儀部門の企業と理事達の全国協会(Abredif)は昨年3月の時点で、前年同月と比べて葬儀の件数が12%増えた事に気が付いていた。昨年3月末時点の新型コロナによる死者は201人とされていたが、重篤な呼吸器系疾患による死者が増えている事は、当時から指摘されていた。
 しかし、今年のサービス量は3月前半の15日間だけで昨年3月比で約30%も増えている。同協会では、新型コロナ感染症による死者だけに限定せず、全てのサービスで傾向を判断している。
 サービス量は急激に増えているのに現行業者以外はサービスを請け負えないという現実は、同業界の企業や管理職にとっても懸念材料で、サービスが止まってしまう事がないよう、総力を挙げて取り組んでいる。
 Abredifのロウリヴァル・パニョッジ会長は、一時的になら、葬儀業界は月間平均サービス量の3倍程度まで持ちこたえられるとし、当面は滞りなくサービスを提供できるとしているが、長期化した場合にはどこまで対応しきれるか、確信が持てないという。

 Abredifには1万3千を超す企業が加入しており、35万人以上が働いているが、サービス量の増加に対応するため、従業員の数を増やしている上、現場の必要に応じられるよう、休暇を取るのも控えさせているという。葬儀のために必要な資材の在庫確保に努めている事は言うまでもない。
 パニョッジ氏は、「専門家は4月半ばが死者のピークと見ているが、死者増加のペースは予想以上だし、この状態がいつまで続くかは誰にもわからない」と語っている。
 同氏によると、棺の製造業者は2交代制を導入しているが、これ以上増加のペースが上がるようなら、3交代制をとる必要もあると見ているが、棺の製造に必要な資材の調達や製造を担当する会社が、生活必需の活動の枠から外され、棺の製造が困難になる可能性があると案じている。
 「政治家達は自分達の定めた基準が絶対だと思っているが、外国では棺その他の資材の調達、遺体回収、埋葬サービスといったインフラが不十分で、葬儀業界のキャパシティを超えたために遺体が放置されたままにされた国もある。ブラジルの葬儀業界は24時間、365日機能している」と、パニョッジ氏は強調している。(19日付アジェンシア・ブラジルより)