国家衛生監督庁(Anvisa)が24日、ブタンタン研究所に対し、コロナ感染症用の免疫血清の臨床試験開始への同意書を発行した。これによって、同研究所が開発中の免疫血清の人体での治験開始が可能となる。
ブタンタン研究所が開発中の免疫血清は、動物実験で効用が確認されていたが、新薬として承認されるためには人体での治験が不可欠だ。
免疫血清に関する人体での治験許可を求める最初の書類が提出されたのは3月初旬で、10日には動物実験の結果に関するデータも提出された。
19日には動物実験の結果に関する質疑のための会合が開かれ、新たな資料の提出が求められた。23日に追加の資料が提出された事を受け、人体での治験開始への同意書が出た。
Anvisaは治験開始への同意書を出すにあたり、「臨床試験の許可申請を審査する際は、開発中の薬剤の安全性や有効性を立証するのに充分な内容かを評価する。人体での臨床試験は、治験に参加するボランティアの人数やプロフィール、使用される薬剤の分量その他の事柄を含めて評価した上で同意される」と述べている。
治験開始が認められた免疫血清は、不活性化したウイルスを馬に接種した後、抗体が生じた事を確認した上で馬の血液を採取し、作られた。
ブタンタン研究所は免疫血清の開発には実績があり、これまでも、毒蛇にかまれた時に使用される血清や狂犬病の治療用の血清などを開発している。
同研究所によると、新型コロナに対する免疫血清に関する動物実験は二つのタイプのものを終えており、免疫血清が新型コロナ感染症の重症化を防ぐ事が確認できているという。
予防接種は感染そのものを防ぐ事を主な目的としているが、免疫血清は治療用に使われる。(24日付アジェンシア・ブラジルより)