【既報関連】新型コロナの死者が30万人を超えた3月24日、三権の長が新型コロナ対策委員会設置を決めたが、まだまだ挙国一致には程遠い状態が続いている。3月の死者は、昨年ピーク時の月間死者数の倍以上の6万6573人だったが、米国の大学は4月の死者は10万人以上との予想まで出したと4、5日付現地紙、サイトが報じた。
ブラジルのコロナ禍は、選挙、年末年始、カーニバルというイベント要因と変異株出現で深刻化し、ロックダウンや黒、紫レベルといった厳しい外出規制導入も招いた。
だが、 科学的な根拠のある方策や現状を軽視する言動や連邦政府や保健省による対策の遅れが感染再燃や医療崩壊を招き、地方自治体や現場の医師達の努力は期待通りの効果を挙げられずにいる。
その結果、直近7日間の感染者の平均が7万人/日を超える日が17日間も続き、死者の平均が3千人/日超の日が現れるという事態も招いた。
3月の感染者は、12月と1月に連続更新した記録を大幅に上回る219万7488人。3月の死者も、昨年7月の3万2881人の倍以上の6万6573人となった。
だがワシントン大学の研究者らは、4月3日の死者累計33万193人に対し、5月3日時点では10万人以上も多い43万6千人になるとの予測を発表。現状の増え方のままなら7月1日時点の死者は56万2800人。95%がマスクを使い、規制強化を続ければ50万7700人に減るが、マスクの着用率や隔離率の低下、変異株出現などが起きれば最悪の59万7700人になると予測している。
経済活動再開の鍵を握る予防接種は、「4月中は1日100万人に接種」との保健相発言通りだったのは1日だけで、2日には30万人レベルに戻った。
緊急使用許可が出ないワクチンや有効成分の輸入の遅れなど、供給量も不確定で、高齢者や医療、治安、教育関係者、先住民などの優先グループの接種終了は9月と見られている。
国民の半分が上半期中に2度の接種を受けるには1日200万人の接種が必要だが、有効成分の国内生産開始まではワクチンの安定供給は難しい。
3月下旬には国内開発中のコロナワクチン2種に人での治験開始許可が出た。また、ケイロガ保健相は動物用のワクチン工場でのコロナワクチン生産や有効成分の輸入加速への道を探るなど、現状に風穴を開けるための試行錯誤を続けている。
★2021年3月25日《ブラジル》死者30万人超えでやっと本腰?=三権の長らがコロナ対策会議=委員会作り国ぐるみの体制に
★2021年3月26日《ブラジル》新保健相「1日100万人に予防接種する」宣言=死者30万人突破の日に=だが「いつから」と予告なし