9日、サンパウロ州政府はコロナウイルスに対する外出自粛規制を見直し、現状の紫レベルから赤レベルに規制を緩めると発表した。新たな規制は12日から実施される。9日付現地サイトが報じている。
今回の発表に関する記者会見にはジョアン・ドリア知事は参加しておらず、ロドリゴ・ガルシア副知事が全体を取り仕切った。同副知事は、今回規制を緩めた理由として、「州内の病院の集中治療室の占有率が落ちたこと」をあげている。
それによると、集中治療室の占有率は一時、93%近くまで上昇していたが、現在は州全体で88・3%、大サンパウロ市圏では87・2%まで落ちたという。
依然として占有率は高く、死亡率も上昇傾向が続いている。だが、この日の会見に参加したパウロ・メネゼス医師、ジェアン・ゴバルド医師も、「緩和と言っても、まだ本来なら最低レベルの赤レベルであり、規制は十分に厳しいもの」と語り、大勢に影響のある緩和ではないことを強調している。
今回の判断により、学校での対面授業も復活する見込みだ。対面授業は強制ではないが、実施を希望する学校では14日から35%までの参加率で行うことが可能となる。
これに伴い、当初は12日からだった47歳以上の教職員へのワクチン接種を10日から、14日からの予定だった67歳の人への接種を12日からに前倒しすることも発表された。
まだ赤レベルであるため、商業活動は必要最低限のもの以外は禁止され、夜8時から翌朝5時までの外出禁止も継続されるが、紫レベルの際はデリバリーのみに制限されていた飲食店での商品の受け渡しが、顧客が店まで行って受け取ることが認められるようになった。建築資材の販売も再開される。
さらに、「午後8時以降の無観客試合のみ」という制限付きでプロ・スポーツの試合が認められるようになり、サッカーのサンパウロ州選手権が再開する。
だが、複数の信者が教会などに集まって、ミサや礼拝といった集会を開催することや、スポーツジム、映画館、美容・理容室の営業は禁じられたままとなる。
今回の規定は12日にはじまり、18日まで有効となる。