4月6日(火)ブラジル中国人協会チャン・ウェイ(53歳)会長が、サンパウロ市アクリマソン区で朝のジョギング中にバイクから銃で数発撃たれ殺害された。中国に関するニュースを多言語で発信する『人民網(ピープル)』ポ語版サイトやブラジル中国通信(Agência Brasil China)が同日付で報道している。現在、殺人罪・人身保護担当課(DHPP)が捜査を行っている。
場所は、アクリマソン公園すぐ近くの高台ゼネラル・ポリドール広場。その周辺を毎朝、ガードマンを連れて走るのが日課だった。その最中に突然バイクにのった殺し屋が現れ、ウェイさんだけを撃ち殺して走り去ったという。殺人事件がほとんどない地域であり、付近には日系人も多いことから、近隣住民には動揺が走っている。
報道によると、在サンパウロ中国総領事館は事件発生後、警察に対し、領事館管轄内の華僑の安全と財産を保護するよう要請。また、事件の進捗状況についても適時総領事館に通知され、今後も厳密に連絡を取り合っていくという。
また、同館管轄区域の華僑に対し、コロナ禍による社会保障・治安悪化への注意喚起を行い、安全対策や防犯意識を高め、中国人会の活動を団結して支え続けるよう呼びかけている。
チャン氏は1968年中国浙江省温州市で生まれ、1996年に渡伯した。55の中国人会を率いるというブラジル中国人協会会長のほか、ブラジル温州会会長やブラジル中国商工会議所を歴任してきた。
2010年にはサンパウロ名誉市民賞を受けるなど、ブラジル国内の中国系コミュニティーにおけるリーダーの1人。
アクリマソン地区のレストラン「チャイナ・ガーデン」創業者の1人でもあったが、同店はコロナ禍の影響で最近閉業となっていた。