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《ブラジル》経済動向予測調査=インフレ予測は4・85%に=GDPの成長見込みは下方修正

インフレ高進で通貨価値や購買力の低下が懸念されるレアル紙幣(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 中銀が12日に発表した金融機関の関係者らを対象に行う経済動向予測調査「フォーカス」によると、2021年の予測インフレ率は前回発表の4・81%から4・85%に上方修正された。
 この予測は政府目標の中央値(3・75%)を上回っているが、上限の5・25%には至っていない。政府目標は2・25%が下限、5・25%が上限となっている。
 昨年のインフレ率は4・52%で、中央値の4%を越えたが、上限の5・5%以下だった。
 2022年の予測インフレ率は、3・5%との政府目標に対し、3・53%で、先週発表の3・52%が若干上方修正された。政府目標の許容範囲は2%から5%だ。
 他方、国内総生産(GDP)の成長見込みは、3・17%から3・08%に下方修正された。GDPの予測成長率は6回連続の下方修正となった。2022年の予測は2・33%のままで保たれた。

 また、年末時点の経済基本金利(Selic)は、5%から5・25%に上方修正された。9日に発表された広範囲消費者物価指数(IPCA)は12カ月の累計で6・10%となっており、インフレ抑制のためのSelic引き上げが必至との見方が広がっている事を反映したものといえそうだ。高齢者向けのIPCAは12カ月の累計が6・20%で、より厳しい数字となっている。
 中銀は3月開催の通貨政策委員会(Copom)でSelicを年2%から2・75%に引き上げた上、次回会議でも同率の引き上げを示唆する発言を行っている。
 2022年のSelicの予想値は、年6%のままで保たれている。
 為替は、年末時点の予測が1ドル=5・35レアルから5・37レアルに引き上げられた。2022年の予測は5・25レアルのままだ。
 貿易収支は、550億ドルの黒字との予測が553億ドルの黒字に上方修正された。2022年の予測も、510億ドルから540億ドルに上方修正された。
 今年の外国人投資は550億ドルとの予測のままだったが、2022年の予測は、622億ドルが644億ドルに上方修正された。(12日付G1サイト、同日付アジェンシア・ブラジルより)

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