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《サンパウロ州》銀行強盗が使ったガスボンベ=コロナの患者対応の病院に寄贈

コロナ感染症患者達がいる病院に寄贈されたガスボンベ(13日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ州市警が裁判所の許可を得て、犯罪捜査で押収した資材の一部を新型コロナ感染症の患者に対応している三つの病院に寄贈した。その中には銀行襲撃などに使われたガスボンベ24本も含まれており、肺の機能が落ちた患者への酸素の供給用に使われる。
 24本に及ぶガスボンベはここ数年間に起きた銀行強盗事件などの捜査で押収されたもので、組織犯罪捜査課(DEIC)の保管庫で眠ったままになっていた。
 だが、新型コロナの感染状況が深刻になり、酸素が欠乏して他の病院に患者を移送しなければならない事態が発生するなど、酸素の供給を確保し、ボンベの数を増やす必要が生じた事などを受け、ボンベを寄贈する事になった。全てのボンベは、状態を入念にチェックし、ペンキを塗り直した上、医療現場でも利用できるように整備してから寄贈された。

 ガスボンベの一つは、オウリーニョス市で起きた銀行強盗の際、現金自動預け払い機や防弾扉を破壊するために使われたが、現金を奪った犯人達が、犯行後の現場に置き去りにしたものだ。
 ガスボンベ以外の寄贈品には、消毒その他に利用できる電子レンジや、麻薬を分包するために使われていた薬品包装機などが含まれている。
 また、麻薬の密売組織が利用していた小型機2機は、新型コロナワクチンを搬送するために使えるよう、州保健局に寄贈された。
 犯罪者達が使っていたものが新型コロナで苦しんでいる人達の命を救うために利用してもらえる事を、市警達は喜んでいるという。(13日付G1サイトより)

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