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《ブラジル》ペトロブラス総裁にルナ氏就任=注目される今後の政府介入の有無

ペトロブラス新総裁のルナ氏(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領が2月に行った人事介入でペトロブラス総裁に指名された軍人のジョアキン・シルヴァ・エ・ルナ氏が、19日に同公社総裁に就任したと同日付現地サイトが報じた。
 ルナ氏は2月に総裁に指名されたが、石油関連の企業での経験がなく、ペトロブラスの総裁として承認されるかが案じられていた。
 経営審議会がロベルト・カステロ・ブランコ総裁の任期終了までは現状の体制を維持する事を要請した事もあり、総裁人事を審議するための総会開催などが遅れ、指名から2カ月近い12日にやっと経営審議会の正式メンバーとなり、19日に就任となった。
 ルナ氏の指名は、国際的な原油価格の動向に応じてガソリンやディーゼル油の価格を調整する政策を不満とした大統領による人事介入の一端で、市場からは石油公社としての独立性を損なうなどの懸念も出ていた。

 2月の総裁指名時は、大統領による介入を嫌う動きなどで、ペトロブラスを含む公社株が急落する事態が起きた。だが最終的には、政府の意向通り、ルナ氏の総裁就任や経営審議会のメンバー変更が承認された。
 総裁交代直前の16日には再度燃料費が引き上げられたが、今度は大統領は「価格政策には介入しない」と発言。他方、経営審議会の新メンバーは政府の意向が強く反映されたものである事や、下院の支持を得た政府が価格政策にも影響を及ぼす可能性が囁かれており、市場関係者は、カステロ・ブランコ氏が導入した価格政策や持ち株売却などによる財政立て直しという方策が継続されるかに注目している。


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