ボルソナロ大統領は21日、新型コロナウイルスの対策プロジェクトの経費を2021年の予算枠から外し、歳出上限法にとらわれずに資金を捻出することを可能にする法案を裁可した。これらの支出は21年予算枠外となるため、赤字の上限にもとらわれなくてもよくなった。21、22日付現地サイトが報じている。
21日付の連邦政府官報に掲載された法案は、19日に連邦議会を通過したばかりのもの。これは、連邦予算基本法(LDO)を改正したもので、21年度予算案がLDOの規定を無視した形となり、粉飾決済や財政責任法違反を理由に罷免要求が起きるのを防ぐ意味があり、国内外からも要請の出ている新型コロナ対策継続を進めるためにも不可欠だった。
同法案の裁可は、企業と連邦政府の経済スタッフが共同で進める、新型コロナ対策のプログラムの発表に間にあわせるべく、大急ぎで行われた。大統領が21年度予算案を裁可する期限である22日午前中までに間にあわせる必要もあった。
LDO改正案は、昨年も採用した一時帰休や時短・減給による雇用維持プログラムや零細企業支援プログラム(Pronampe)の継続を可能とするためのもの。これらにかかる費用を、21年の連邦政府の予算から切り離し、歳出上限の対象から外すことを認める。今回のような法改正の手続きを行わないと、連邦政府は予算支出の上限を守れず、財政責任法に問われる危険性があった。
経済スタッフによると、100億レアルが雇用維持プログラム、50億レアルがPronampeに使用される見込みだという。だが、民主党(DEM)下院リーダーのエフライン・フィーリョ下議は、「Pronampeも100億レアルかかる可能性がある」と語っている。
連邦政府はすでに、440億レアルを緊急支援金のために財政支出上限の対象外にしているが、今回の法改正により、1250億レアル以上の枠外支出が可能になると捉えられている。この金額には、昨年計上されたが、実際の払い出しが今年に持ち越された対策費337億レアルなども含まれる見込みだ。