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信用をぶち壊す二枚舌やおべっか使い

「死者冒涜」との批判が噴出した写真でもマスク不着用の大統領(Alan Santos/PR)

「死者冒涜」との批判が噴出した写真でもマスク不着用の大統領(Alan Santos/PR)

 バイデン氏主催の気候変動サミットに集まった40カ国の代表は、「30年に違法伐採ゼロ」などというボルソナロ大統領の言葉を歓迎した。
 だが、18年の大統領選直後からのボルソナロ氏やその言動を知る人達には、彼の発言は「眉唾」そのもの。サミット参加者でも、本気かと疑いながら聞いた人が多かった事だろう。
 サミットで「環境監視団体への資金倍増」などと発言した直後には、国内メディアが「大統領が約束を実行する雰囲気は見られない」と報道。サミットでの発言後の今年度予算法裁可時に環境省予算に拒否権を行使した事や環境省は保健、教育両省と並んで予算削減額が大きかった事を見ても、「やはり、大統領自らフェイクニュース発信か」と思った。
 サミットでの発言と裏腹に環境省予算に拒否権を行使した事を国際社会がどのように受け止めたかは知らない。だが、一国の首脳が国際会議で誠意に欠けるその場限りの発言をした姿に、トランプ氏に追従していた頃同様、「おべっか使い」や「二枚舌」を実感した。
 27日にはゲデス経済相も信用丸つぶれ発言を行った。同相は中国製ワクチンの接種後にも関わらず、保健省の会合で、「新型コロナウイルスは中国が作った」「中国製のワクチンは米国製ほど効かない」と発言。会議がネット生中継中だったことを後から知り、「流すな」と頼んだ事や慌てて謝罪した事などは、中国に対する同氏の言動に裏表がある事を示した。
 相手や場所によって態度や言葉を変える人は、一時的に人気を得ても、信用を失う。ボルソナロ氏は新保健相就任当初こそ、マスク着用や社会的距離確保を擁護したが、現在は再び、マスクも着けずに人混みを作り、感染を広げる行動を繰り返している。連邦直轄区で集中治療室の空き待ちの人増加との報道に、一気に気が塞いだ。 (み)