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《ブラジル》「無策と無能が国民殺した」=レナンがCPIで大統領に痛烈返答

レナン上議(Jefferson Rudy)

 6日に行われた上院のコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)でのマルセロ・ケイロガ保健相に対する喚問をめぐって、ボルソナロ大統領と同CPI報告官のレナン・カリェイロス上議が言い争い、大統領が「無策で無能」と言い返された。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
 この論争の発端は6日夜、大統領が木曜恒例のネット上での生放送で、ケイロガ保健相に対する喚問に苦言を呈し、レナン氏の息子への捜査をほのめかしたりしたことだ。
 ボルソナロ氏は生放送で、ケイロガ保健相への喚問の様子に関して、「二言目にはクロロキン、クロロキンとやかましい」としてCPIを批判した。
 「実際問題、私はクロロキンを処方したことで治ったんだし、少なくとも10人くらいの上議とクロロキンの話をしてるぞ」と語り、上院にもクロロキンを服用している議員がいることをほのめかした。上議の名前は出さなかった。

 大統領はさらに、「CPIの場にいたいな。誰が国民を殺したかといえば、私のせいにするんだろう。だが、反論してやりたいよ。私は誰も殺してはいない。国民を殺しているのは、自分の州に送られてくる国からの公金を盗んでいる奴だとな」と語った。この発言は、収賄容疑で捜査対象になっているレナン報告官の息子、アラゴアス州のレナン・フィーリョ知事を揶揄したものだ。
 この日のCPIは夜まで延長して行われていたが、大統領発言を知ったレナン氏はこの件に触れ、「国民を殺したのはパンデミックだ」とした上で、「(多数の国民の死は)私がそうならないように望んだ、無策と無能によるものだ」と大統領を痛烈に批判した。
 また、この日のケイロガ保健相の答弁に関して、連邦政府側は「ケイロガ氏にとってきわめて痛い結果になった」ととらえているという。ケイロガ氏はこの日の答弁で、クロロキンに関する自身の見解を話すことを頑なに避けたが、大統領のクロロキン推奨をとめなかった。そのことが、4月のコロナ大量死の原因の一つと言われているためだという。