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《サンパウロ市》予防接種会場に響く音楽=週2回オーケストラが生演奏

劇場前でタクトを振る指揮者や上部の回廊で弦楽器を演奏する男性など(6日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ市で60~62歳の人への新型コロナの予防接種が始まった6日、同市南部サントアマロ区アドルフォ・ピニェイロ大通りにある特設接種会場、パウロ・エイロー劇場(Teatro Paulo Eiró)では、長蛇の列をなして接種を待つ人達がオーケストラの演奏で心和むひと時を過ごしたと同日付G1サイトが報じた。
 演奏が始まったのは午前11時。劇場の入り口前に立った指揮者がタクトを振ると、劇場外部の回廊に陣取っていたサントアマロ・フィルハーモニー・オーケストラ(OFISA)の面々が演奏を始めたのだ。演奏時間は約15分間で、映画のテーマ音楽やブラジル人に馴染み深い曲目が演奏された。
 サンパウロ市文化局によると、OFISAの演奏は、5月27日までの火曜日と木曜日、午前11時から行われるという。密を避けるため、演奏に参加するメンバーは各回4~5人で、演奏時間も15分程度。接種を受けに来る人達と直接接触できる場所だと密が生じ易くなるからという理由で、2階部分にある外回廊で演奏する事になっている。

 OFISAの指揮者のシルヴィア・ルイザーダ氏は、「音楽には人々の心を新たなエネルギーで満たすという働きがある。パンデミックという困難な時にはなお、魂を癒し、我々を芯から力づけてくれるはず」と語っている。
 60~62歳の人を対象とする予防接種初日の6日は、ファイザー社製のワクチンも使われると聞いた人達が、その接種を受けられる保健所(UBS)を探し、長蛇の列をなすという事態も生じた。
 同社製ワクチンはアナフィラキシーショックを起こす人が出たとして不安を感じている人がいる。だが、世界保健機関(WHO)などは、アナフィラキシーのような強い副反応が起きる事は本当に稀なので、アレルギー体質の人達は接種後15~30分程度、強い副反応が出ないかどうかを観察する事などに注意すれば大丈夫だから、積極的に接種を受けるよう勧めている。
 サンパウロ市ではドライブスルーの接種会場も設けているが、6日からの接種で初めて使われるファイザー社製ワクチンは超低温での保存が必要なため、UBSなど、市内486カ所の固定接種会場でしか使われなかったが、同ワクチンは1日余りで全て使い切ったという。ドライブスルー会場やファイザー社製ワクチン終了後の固定接種会場ではアストラゼネカ社製のオックスフォード・ワクチンを使っている。

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