サンパウロ州地裁が、60歳から64歳の人の地下鉄やCPTM、バスの料金を再び無料にする判断を下した。12日付現地サイトが報じている。
地裁の決定は7日に行われていたが、12日にあきらかになった。11日にはサンパウロ市議会で、この年齢層の人たちの料金を無料にすべきとの公開討論会も行われていた。
サンパウロ州では2013年に60歳以上の公共交通機関の利用料金を無料にする条例が裁可されており、2021年1月31日まで有効だった。
だが、2020年12月、サンパウロ州とサンパウロ市が60〜64歳を料金免除の対象年齢から外すことを決めた。これを不服とする定年退職者の組合などがこれに抗議し、2021年初頭に一度覆った。だがその後に地裁がサンパウロ州とサンパウロ市の方針を認める判断を行ったため、無料乗車は65歳からに変更された。
これにより、今年の2月1日から、この年齢層の人たちは通常料金を課されていた。
だが7日、サンパウロ州の財政裁判所第3法廷判事が、「州や市の財政確保を安定化させることを目的とした理由以外の法的必然性が感じられない」としてサンパウロ州、サンパウロ市の方針を却下(知事令を無効化)。これにより、60歳から64歳の人は再び、地下鉄やCPTM、バスを無料で利用できることになったが、この決定は即刻適用ではない。
サンパウロ州政府はすでに、控訴する意向を表明している。