28日付フォーリャ紙(電子版は27日付)が、大統領が保健省の他に持っていたとされるコロナ対策の「影の委員会」が少なくとも24回にわたって会議を行っていた事実を報じている。
ボルソナロ大統領は27日、最高裁に対し、南大河州、ペルナンブッコ州、パラナ州が出した、夜間の外出禁止令を含む、ロックダウンなどの厳しいコロナ対策の実施を止めさせるよう訴えた。大統領はさらに、同日行った毎週恒例の生放送の中で、コロナ禍CPIのオマール・アジス委員長に対して、「頼むからCPIをやめてくれ」と懇願した。
CPIではこの日、サンパウロ市ブタンタン研究所のジマス・コーヴァス所長が証言を行っており、コロナバックの提案は昨年6月が最初だった事や、同年10月には1億回分の契約が成立寸前まで行っていたにもかかわらず、大統領の反対で反古にされた事などを語ったため、ボルソナロ氏の立場がさらに危ういものとなっていた。
その矢先の27日夜、フォーリャ紙サイトがCPIで話題となっていた「影の委員会」の存在を明らかにした。これは、CPIの多数派の委員たちが連邦政府に求め、提出させていた情報をいち早く報じたものだ。
それによると「影の委員会」は公式に記録されたものだけで24回開催されており、すべてがプラナウト宮か大統領官邸のどちらかで行われている。大統領はこのうちの18回に出席していた。
記録によると、主な出席者としては、元市民相で医師のオズマール・テラ下議、大統領府社会通信局(SECOM)元局長のファビオ・ワインガルテン氏、ニーゼ・ヤマグチ医師、大統領府特別補佐官のテルシオ・アルナウド氏などが名を連ねられている。また、かねてから噂のあった大統領次男カルロス氏に加え、大統領長男フラヴィオ上議の名前もあがっている。
記録によると、参加がもっとも多かったのはテラ氏の11回だ。開催日は昨年の2月4日から今年の3月30日までとなっており、うち4回は大統領と同氏のみ。また、テラ氏がエドゥアルド・パズエロ前保健首相を伴って参加した時があった事も確認されている。テラ氏はコロナ懐疑論者で知られ、「死者は1万人を超えない」などと語っていた。
さらに、ワインガルテン氏が6回、ボルソナロ氏の息子たちが5回、クロロキン推奨医師として知られるヤマグチ氏も4回参加した。会議への参加は、対面でのものとビデオ参加のものがあったという。
フォーリャ紙によると、同時点までに提出された資料の中には、CPIがこの件で召喚する事を決めている大統領側近のフィリペ・マルチンス氏と元側近のアルトゥール・ウェイントラウビ氏、企業家のカルロス・ウィザルジ氏の名前はなかった。だが、彼らの名前はCPIでの証言の中で「参加していた」人物の一人として言及されている。
この「影の委員会」の議事の中には、世界保健機関(WHO)傘下でワクチン供給や購入の調整を行うコヴァックス・ファシリティに関するものもあった。これをきちんと使えば、人口の50%分までのワクチン購入申し込みが可能だったのに、実際には10%分という不当に低い数量しか買わなかったことに疑問を呈する専門家は多い。