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《ブラジル》経済動向調査=GDP成長3・96%へ予測好転=基本金利は来年以降6・5%か
5月31日にブラジル中央銀行が発表した経済動向調査「フォーカス」によると、今年の国内総生産(GDP)の成長予想は3・52%から3・96%に上方修正されたが、来年度のGDP予想は2・30%から2・25%に引き下げられたと5月31日付現地サイトが報じた。
フォーカスは国内の金融機関などに対して行った聞き取り調査の結果をまとめたもので、GDPの成長予想は5月18日に政府が出した3・5%成長との予想を上回る状態が続いている。他方、2023年と24年の予想成長率は2・5%のままで据え置かれた。
インフレ予想は5・24%が5・31%に引き上げられ、8週連続の上方修正となった。今回の数字は、政府のインフレ目標上限の5・25%を若干だが上回った。来年度のインフレ予想は3・67%から3・68%で、ほぼ同じだった。
中銀がインフレ抑制に使う経済基本金利(Selic)は、年末時点で5・75%と予想されている。現行金利は年3・5%、前回予想は5・5%だったから、インフレ高進への懸念から、より大幅な金利引き上げが必要との考えが働いたと見られている。22~24年のSelicは6・5%と予想されている。
また、年末時点の為替の予想は1ドル=5・30レアルのままだった。
国際経済開発機構(OECD)は5月31日、ブラジルでは新型コロナ対策の足並みが揃っていないし、予防接種も遅々として進んでいないとの懸念を表明したが、今年のGDP成長率の予想は3・7%を維持と発表した。世界全体のGDPは5・8%と予想されており、ブラジルの成長は世界平均を下回ると見られている。