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《ブラジル》マナウス市内の道路や家に濁流=ネグロ川増水に送水管破裂重なる

ネグロ川の増水で水に囲まれた税関の建物(Chico Batata/Divulgação)

 ネグロ川の増水が続き、川に近い地区では道路の冠水なども起きていたアマゾナス州マナウス市で5月30日、同市西部や北部に水を送る送水管が破裂し、路面に停めた車や家屋を濁流が襲う事件が起きたと5月30、31日付G1サイトなどが報じた。
 ネグロ川の水位上昇は未だ止まらず、5月30日には、過去最高だった2012年の29・97メートルと並ぶタイ記録となった。マナウス市内では、これほどの増水は滅多に見られないと考える人達が、記録的な増水の様子を一目見ようと繰り出す様子や、例年とは異なる様相を見せる場所の写真を撮ったりする様子も報じられている。
 マナウス港の水位の記録は1902年から残っているが、今年の水位は30メートルを超える可能性もあるという。ただし、来週あたりからは水位が下がり始めるとの予想も出ているようだ。

送水管の破裂で生じた濁流に翻弄される車(5月31日付G1サイトの記事の一部)

 他方、同じ5月30日の未明には、コンペンサ地区の送水管が破裂し、道路はおろか、屋内にまで濁流が押し寄せ、家具や電気製品がだめになったり、車を流されたりといった被害を受ける人達が出た。また、西部や北部では広範囲で断水も起きたが、当日中に回復したという。
 フローレス街の送水管破裂はここ8年間で3回目。この地区の人達は、送水管が破裂するたびに家屋に水がなだれ込み、家具や電気製品がだめになったり、車が流されたりといった被害に遭っている。同州水道公社は早急に職員を送り、破損箇所の修理を行うと共に、各戸毎の被害状況なども調べている。
 マナウス市はまだ被害が少ない方だし、アマゾナス州の住民は皆、水と共に生活する術も心得ているが、ネグロ川の増水は毎年、農産物水没なども含む被害を広範囲にもたらしている。

★2021年5月20日《ブラジル》アマゾンのネグロ川増水が深刻化=約30mも上昇、過去最高まで20cm
★2012年5月5日《ブラジル》アマゾナス州は水の中?=マナウス市内の交通は舟で
★2009年6月25日マナウスで観測史上最悪の増水状態記録
★2009年4月24日《ブラジル》北、北東伯で水害広がる=1日5センチ増水する川=50年に1度の大水の声も