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《ブラジル》サレス環境相に2件目の捜査開始=疑惑の特別補佐官はさっさと辞表提出

サレス環境相(Marcelo casal)

 【既報関連】2日、最高裁のカルメン・ルシア判事は連邦検察庁に対して、リカルド・サレス環境相に対する捜査許可を出した。これにより、同環境相は2件の疑惑に関して、正式な捜査対象となったことになる。2、3日付現地紙、サイトが報じている。
 カルメン判事が許可を出したのは、連邦検察庁が5月31日に出した、環境破壊行為に対する監査を困難にするべく、様々な形の妨害行為を行っていた疑惑に関するものだ。
 カルメン判事は4月に、アマゾナス州の連邦警察から受け取った捜査請求に関し、連邦検察庁に「捜査開始に値する(捜査開始を正当化する)だけの疑惑があるか」判断するよう求めていた。それを受けた検察庁は、サレス氏自身に疑惑に関する見解表明を求めたが、十分な反論材料がなかったため、最高裁に捜査許可を要請。それにカルメン判事が応えた形となった。
 事の発端は昨年12月に行われた連警の「ハンドローンタス作戦」だ。この捜査では22万6763立方メートルの不法伐採の木材が押収されたが、連警が同作戦を敢行するにあたり、様々な形の妨害行為が行われたという。カルメン判事は検察庁に意見を求める際、すでに、アマゾナス州連警からの告発には、反論の余地がないほど重度の犯罪行為が認められるとの見解も表明していた。

 サレス氏は5月にも、1410万レアルに及ぶ不審な金の動きがあったとして、違法木材の輸出が容易化されたことに関する件で、家宅捜査を受けている。この件の担当はアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事で、検察庁の見解を問わずに捜査許可を出している。
 カルメン判事が捜査開始許可を出した2日の朝、サレス環境相の右腕だったレオポルド・ペンテアド・ブキエビチ氏が辞任している。ブキエビチ氏はモラエス判事が許可を出した連邦警察のアクアンドゥーバ作戦で木材の違法輸出の簡易化に関与したとの疑惑が持たれていた人物だ。
 ブキエビチ氏は3月に国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)に介入する形で、マット・グロッソ州の牧畜企業家やサンパウロ州リオ・クラーロの木材企業プレマ社とワッツアップで連絡を取り「Ibamaは国の財産を台無しにしている」などと発言し、木材の違法輸出を促進しようとしていた記録が、5月にフォーリャ紙から公表されていた。
 なお、カルメン判事は捜査開始の許可と同時に、環境相や農地所有者、Ibama職員、連警捜査官らの召喚や、同件に関する会計監査などの資料のコピー入手も許可している。