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《リオ》4階建てアパート崩壊で親子死亡=犯罪組織の手抜き建築の疑い

崩壊した現場で救出活動を行う消防士たち(Foto: Tomaz Silva/Agência Brasil)

 3日未明、リオ西部で4階建てアパートで崩壊事故が起こり、幼児1人とその父親が死亡、母親を含む4人の負傷者も出ている。3日付現地サイトが報じている。
 事故が発生したのはリオ西部のリオ・ダス・ペドラスで、崩壊は午前3時20分頃に起きた。目撃者の話によると、揺れなどの兆候は午前2時頃からはじまっていたという。
 この事故で、3歳のマイテちゃんとその父親のナタン・ゴメス氏が瓦礫の下敷きとなって死亡した。最後の行方不明者とされていたゴメス氏の遺体が回収されたのは正午頃だが、消防士たちはその後も現場の捜索を続けている。
 男性1人、女性3人の4人が救出され、病院に運ばれて治療を受けている。うち3人は未明のうちに救出され、4人目は午前9時30分頃に助けだされた。4人目に救出されたキアラ・アブレウ氏(27)はマイテちゃんの母親で、ゴメス氏の妻だ。その他の負傷者は28~38歳で、身元も判明している。

 リオ・ダス・ペドラス区は1960年代から、犯罪者の民兵組織であるミリシアの支配地域となっており、警察や行政が管理できていない。リオ市人口の約3分の1に当たる210万人はミリシアの統治する地域の居住者だと言われている。
 この地域では、インターネット契約から住居の建築・賃貸・売買まで同ミリシア組織が仕切っているため、建築技師が関わらずに違法に手抜き建設されている物件が多数あると言われている。今回崩壊した建物もそうした違法建築物件とみられている。2019年には3・5キロ先のムゼマ区で違法建築のアパート2軒が倒壊し、24人が命を失う事故も起きている。崩壊の原因調査はこれからだ。

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