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《ブラジル》コロナ治療で多額の借金?=保険プランでクレーム急増

新型コロナの治療で100万レアル単位の借金を抱える家族も出ていると報じる2日付G1サイトの記事の一部

 新型コロナの感染第2波で感染者や病床の空きを待つ人が急増した事を受け、保険プラン利用者からのクレームも急増と2日付G1サイトなどが報じた。
 新型コロナの感染第2波は昨年中を上回るペースで感染者が増え、集中治療室を含む病床不足が深刻化。入院して治療を受ける事もできずに亡くなる人も出るなど、医療崩壊も広がった。
 現在、感染第3波が起きて感染者の急増と医療崩壊に伴う死者の増加が再び起きる可能性も囁かれている中、第2波では国家医療サービス監督庁(ANS)に寄せられるクレームが急増していた事が明らかになった。
 2020年の3月3日から今年の5月23日までに同庁に寄せられたクレームは2万1783件で、内の1万2322件は、新型コロナに感染したか感染した可能性があるのに検査や治療を受けられる場所がない、保険プランによるサポート体制が不十分というものだったという。
 感染第2波の激しさは第1波以上で、病床不足で入院できない人や治療が受けられない人とその家族が、州外の病院も含めて探し回ったといった話がメディアで報じられる事も増えた。ANSへのクレームは、保険プランに加入できる人やその家族も、医療崩壊で様々な困難に直面し、苦しんだ事などを示している。

 パラナ州ポンタ・グロッサ市在住の男性は今年はじめ、コロナ感染症に罹患して重症化。保険プランがカバーする病院の中では集中治療室や体外式膜型人工肺(ECMO)が手配できず、サンパウロ市に移送して治療を受けたが、その甲斐もなく、2月28日に他界した。男性の死後に遺族のもとに届いた請求書には、180万レアル超という、信じがたい金額が記されていたという。
 この男性やその家族はほんの一例で、新型コロナに感染して重症化した場合や長期入院で合併症などを起こした場合は、保険プランが適用できない治療が必要になる例もかなりあるようだ。
 私立病院に入院した人が数万レアル単位の請求書を受け取る例は、昨年来、相当数報じられている。また、3月からの長期入院後に亡くなったコメディアンのパウロ・グスターヴォの場合も、100万レアル以上を費やしたとされている。
 入院先が見つからない、病院はあっても治療に必要な機材がないなどの困難に直面した患者や家族には、病気による苦しみや別離の悲しみだけでなく、負いきれないほど多額の借金という現実に直面する可能性も横たわっているようだ。

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