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アリアンサ=コロナ禍で生徒数半減の危機=校舎閉鎖、3校から1校に=手探りでオンライン化するも

ピニェイロス文化センター

ピニェイロス文化センター

 「生徒が激減して校舎を閉鎖し、去年からずっと赤字で苦しい状況。少しでも早くこのコロナが収束して以前に戻って欲しいと願うだけです」――日伯文化連盟(吉田エドワルド会長)の土屋アリセ早那枝校長(二世・69歳)はそう落胆の様子で語った。昨年から始まったコロナ禍が継続し、多くの日系団体や日本語学校が経済的ダメージを受けている昨今、アリアンサも経済的理由により、昨年来、3校あった日本語学校を閉鎖統合して、ピニェイロス校1校にしていた。

 パンデミック前、同連盟は日本語学校が3校あった。うち、昨年8月に文協内6階のサンジョアキン校を閉鎖。その翌月には2フロア借りていたヴェルゲイロ校の1フロアを閉鎖。今年5月30日にヴェルゲイロ校のもう1フロアも閉鎖し、ピニェイロス文化センター1校のみに。
 同校は、この災禍で昨年3月から急きょ授業を全てオンライン化したが、生徒の学習環境の問題などで1500人程いた生徒が700人まで激減したという。
 同校は日本語の授業とポルトガル語の授業を行っているが、コロナ前も現在も変わらずおおよそ95%が日本語の授業。日語生徒は非日系が40%程。ポ語生徒は駐在員や留学生、在留邦人。今年前半(2月~6月)のポ語授業は生徒が集まらず中止となった。

土屋校長

土屋校長

 土屋校長は「コロナ禍に対応し急きょオンライン化を行いましたが、ついていけない高齢の受講者や、家にパソコンが1台しかなく自宅でオンライン授業を受ける子供と授業時間が重なったことなどが理由で生徒が激減しました」と生徒減少の理由を語る。
 アリアンサは現在、全ての授業をオンラインで行っており、少なくとも今年一杯はこの授業体制を継続するという。
 「自粛が少し緩和された現在、感染防止措置に務めながら対面授業を再開したい思いはあります。ただ、このピニェイロス校は教室が7部屋、通常各部屋に15人しか入れず、感染対策で人間距離を取ると7人以下しか収容できません。現在日本語教師は23人しかいないので少人数授業を行うと人手が足りません。会話の練習でオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド授業ができるかと言われれば管理が難しい。かといって教師を増やせる程の財政的余裕もないといった状態です」とパンデミック中の運営の難しさを語る。
 続けて、「オンラインは離れた場所から受けることができ、自宅から受講できるなど良い点はありますが、逆に授業の時カメラをオフにして表情が見えないデメリットもあります。特に会話や発音の練習では表情や口の動きが重要になるので、オンラインが長所ばかりではありませんね」とデメリットも指摘する。
 土屋校長は同校日本語教師について、「現在アリアンサで我慢して働いてくれている教師の皆さんに、本当に感謝していて頭があがりません。恥ずかしながらオンライン機材を支給するお金も無く、各先生に個人で用意していただいたり、オンラインの使い方も手さぐりで行ったり本当に感謝と申し訳なさでいっぱいな気持ちです」と申し訳なさそうに述べた。
 今後について「コロナが少しでも早く収束して生徒も以前のように増えてほしいです。また、現在オンラインではできない生花教室や書道教室などを再開させて、賑やかな学校にしてブラジルに日本文化のタイムリーな情報を本校から流せるようにしたいですね」と期待を膨らませている。