地理統計院(IBGE)が8日、第1四半期の牛の屠殺数は前期より10・9%、昨年同期比では10・6%少ない656万頭で、2009年第1四半期以来となる少なさだったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
牛の屠殺数は27の連邦自治体中、23の自治体で減少した。屠殺数が最も多いのはマット・グロッソ州で、15・7%を占めた。以下、マット・グロッソ・ド・スル州11・7%、サンパウロ州10・2%と続いている。
他方、鶏は1997年の統計開始以来最多となる15億7千羽が屠殺された。この数字は昨年同期比で3・3%、前期比で0・7%増えた。州別の屠殺数はパラナ州が最多で全体の33・1%を占めた。以下、リオ・グランデ・ド・スル州が13・9%、サンタカタリーナ州が13・3%で続いている。
豚も統計開始以来最多の1262万頭で、昨年同期比では5・7%、前期比では0・6%、各々増えた。こちらはサンタカタリーナ州が28・9%を占め、以下、パラナ州20・3%、リオ・グランデ・ド・スル州17・5%となっている。
IBGEのベルナルド・ヴィスカルディ氏によると、昨年と同様の傾向が続いており、牛の屠殺数が減少する一方で、鶏と豚の屠殺数が増えている。また、成牛と子牛の平均価格は、過去最高だったという。
また、輸出も盛んで、通商局(Secex)によると、3月の生牛肉の輸出量は、月間としては過去3番目、3月としては過去最多の13万3820トンに達した。
豚の場合は、生きたままの豚や肉の国内価格が下がり、競争力が増したが、生肉の輸出でも新記録を更新した。
他方、鶏肉の輸出量には変化がなく、屠殺数の増加は国内消費の増加によるものであった事が明らかになった。
牛乳の生産は季節的な要因もあって、前期比で3・5%減の65億6千リットルだった。だが、昨年同期比では1・8%増で、第1四半期の生産量としては新記録を更新した。
鶏卵の生産も、前期比では1・3%減の9億7825万ダースだったが、昨年同期比では0・3%増を記録した。
なめし皮の生産量は707万枚で、前期比では8%、昨年同期比でも6・6%減少した。第1四半期の生産量は2002年第1四半期以来の少なさだった。
なお、IBGEは5月にも第1四半期の数字を発表しているが、今回発表された数字は実績を見直したもののようだ。
牛の屠殺数が減っている中での輸出増は国内市場に回る肉の減少につながり、国内での小売価格の上昇や消費量減少を招いている。
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