左翼の大物政治家であるマルセロ・フレイショ下議(社会主義自由党・PSOL)とフラヴィオ・ジノ・マラニョン州知事(ブラジル共産党・PCdoB)が離党し、ブラジル社会党(PSB)へ移籍することが確実視されている。PSBは労働者党(PT)への接近が噂されており、22年のルーラ元大統領の大統領選出馬に向け、左派団結の姿勢を見せはじめたといえそうだ。11日現地紙などが報じている。
11日、フレイショ下議はPSOL離党の挨拶を書面で発表した。フレイショ氏は2016年のリオ市長選で決選投票の末に次点になったことで注目され、これまでは小政党とのイメージだったPSOLのイメージを全国にアピールした。同氏は、リオ市議としての任期中だった2018年3月に殺害され、国際的な社会問題ともなったマリエレ・フランコ氏の指導者的存在としても知られている。
フレイショ氏は昨年のリオ市長選への出馬が有力視されたが、断念していた。それは、左翼連合を組むことを希望していたフレイショ氏に対し、PSOLが反対したためだ。
一方、ジノ氏は、ボルソナロ大統領の反対勢力となる北東部の知事の中でもリーダー格で、22年の大統領選でPCdoBの候補になると期待されていた。だが、今年3月にルーラ氏の被選挙権が回復し、22年の大統領選出馬の可能性が出てきた際に、「もちろんルーラ氏を支持する」との意向を示していた。
フレイショ、ジノ両氏のPSBへの移籍は、同党所属のリオ州議で、ルーラ政権で環境相を務めたこともあるカルロス・ミンク氏が8日にネット上で明らかにした。ミンク氏によると、2人共、15日以内に移籍することで合意が成立しているという。
ルーラ氏は被選挙権回復直後から、PSBへの接近が伝えられていた。PSBは左翼政党の中では下議数などでPTに次いで2番目に大きな政党。2014年にエドゥアルド・カンポス氏が大統領選に出馬するまではPTの協力政党だった。
ルーラ氏はPSBから副候補を物色中とも言われているが、フレイショ氏は22年の選挙でリオ州知事を、ジノ氏は上議を狙っていると噂されている。
ルーラ氏自身はまだ、正式な出馬宣言を行っていないが、10日付現地紙は、PTが先週、大統領選に向けた宣伝活動のため、第2期ルーラ政権で社会通信局長を務めたジャーナリストのフランクリン・マルチンス氏との契約に合意したと報じている。