新型コロナの感染第2波は再び上昇軌道に乗ってしまい、19日の時点の死者は50万人の大台に乗った。感染学上第24週(13~19日)は新規感染者が前週比8・9%、死者も5・7%増えるなど、予断を許さない動きが続いている。
欧米諸国では予防接種の普及で感染者や死者が減っているのに、ブラジルでは高齢者の死者こそ減ったが、60歳未満の死者が増えている上、新変異株発生や変異株による感染が増えており、現在世界一の米国との死者数の差が縮んでいる。
ブラジルでは3月以降の死者が25万人弱だが、米国の死者は同期間中に8万5千人だった事、米国は予防接種の急速な普及により、1月12日は4475人だった1日の死者が今月13日には111人に激減している事から、専門家はブラジルの死者は今後3カ月以内に米国を超えると見ている。
死者50万人超えは40万人を超えてから51日目で、ブラジル人425人に1人がコロナで死亡した事になる。同日の死者は前日比で2301人増の50万800人、感染者は前日比で8万2288人増の1788万3750人だった。感染学上第23週の死者は1万4528人で平均2075人/日、新規感染者は50万8932人で平均7万2705人/日だった。
20日現在の死者は50万1825人、感染者は1792万7928人となり、直近7日間の平均の感染者7万3595人/日は、4月1日の7万4239人/日以来の高い数値だ。
ブラジルは第1波が収まらないまま第2波に突入。今年に入ってからはあっという間に月間の感染者や死者が新記録を更新した。
感染者増加のピークは3月で、月間の感染者は219万7488人、1日の平均は3月25日に7万7050人/日を記録した。4月の死者は8万2266人で、同月12日は7日間の平均が3124人/日を記録、1日の死者は同月8日に4249人に達した。
現在の感染者や死者増加はピーク時ほどではなく、死者が30万人から10万人増えるまでが36日、次の10万人は51日でペースはやや落ちたが、死者の半分弱(24万6883人)は3月以降に死亡している。
コロナ死者が50万人を超えた事や、ボルソナロ大統領や現政権のコロナ対策への抗議デモは国内外で注目された。ケイロガ保健相は19日、死者を悼み、遺族を慰める言葉を贈った。
だが、ミナス州南部のマシャード市では20日、十字架を立て、横断幕を掲げて死者を追悼していた広場に入ってきた男性が、幕を破り、十字架を踏みつける場面も見られた。
17、18日付アジェンシア・ブラジルによると、ウイルス全般による呼吸器系疾患の感染率は全国的に上昇中で、新型コロナの感染者が増えたと答えた市保健局は33・9%に及んだ。
初回のワクチン接種さえ受けてない人が大半という現状では、2度の接種を受けた後も感染の可能性は残る。初回接種で気を許し、密を作る人もいるが、当面は接種後もマスク着用や手指消毒、社会的な距離の確保の継続が不可欠だ。
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