聖市のジャパン・ハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)は6月29日から8月22日まで、「WINDOWOLOGY窓学:窓は文明であり、文化である」を同館2階で開催する。入場料は無料。
窓を学問として研究を行う、公益財団法人窓研究所がJHの巡回企画展として企画し、ロサンゼルスから続いて2拠点目の開催。建築の一構造物のみならず、文学や芸術などで表現される窓の役割を紹介しながら窓の存在意義を紐解いていく。
展示には手仕事の窓、環境の窓、現代住宅の窓など9つのテーマ毎に図面や模型、写真、映像、漫画、文学作品を通して、現代に至るまでの窓の文化に焦点をあて、社会との関わりやその変遷を垣間見る事ができる。
特に、日本の伝統文化である茶道の茶室のうち、一番窓が多い茶室「擁翠亭」を実物大で再現し展示する。窓には日本製の手漉き和紙が用いられる。
広報資料には、同展キュレーターの五十嵐太郎氏の言葉として「窓は常に様々な地域や文化の人々に特有の行動を喚起させており、このコロナ渦では特にその特性を強く認識することができる」と紹介されている。
窓辺に立ち近所の人たちのためにオペラを歌う、医療従事者へ感謝のメッセージを送る、窓から物を渡すなど、危機的な状況下で人間距離を保ちながら、希望や感謝の気持ちを共有するユニークな役割を果たしていると考える。
ナターシャ・バルザギ・ジーネンJH企画局長は、「窓は様々な象徴を秘めた詩的な存在ですが、生活に溶け込んでおり実感することは少ないでしょう。しかし、コロナ禍で他者と隔離や孤立が強いられる昨今において、その重要性や存在意義を理解する必要に余計かられると思います」とコメントを寄せる。
同展はオンラインプログラムやSNS上でも様々なコンテンツを発信していく。同館展示後にはロンドンのJHで開催が予定されている。
展覧会の詳細はJHサイト内特設ページ(https://www.japanhousesp.com.br/exposicao/windowology-estudo-de-janelas-no-japao/)から確認できる。